メールマガジン

2012.05.31
『世界の人事部』Vol.37【中国・アメリカにおける高齢化の影響は?】
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       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部』
                        【Vol.37 2012.5.31】
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  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部』編集部です。

 この春、私たちクイックグループの海外3か国目の拠点として、新たに
 ベトナム・ホーチミン市にQUICK VIETNAM CO.,LTD.が設立されました。
 現地への進出を希望する日系企業を中心に人材育成や人材紹介サービス
 などを提供してまいりますので、今後の動きにぜひご注目下さい。

 併せまして、当メールマガジンのタイトルでもある「世界の人事部」が、
 この度、商標登録されました。今後も読者の皆様への有益な情報提供を目
 指してまいりますので、引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■─────────────────────────

 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第37回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

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 【1】 今月の人事労務ニュース
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 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
 スを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 <中国> 新華社によると、「女性従業員労働保護特別規定」が公布され、
      女性従業員の生育、流産の医療費用について、
      生育保険に加入しなかった場合の会社負担が明確に

 <中国> 中国新聞網によると、4月のCPIは前年同期比3.4%の上昇
      食品価格は7.0%上昇と、依然として上昇傾向が継続
      

 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/

 アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php

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 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第37回】『世界の人事の現場から』
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 【第37回テーマ】
 「中国・アメリカにおける高齢化の影響は?」
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 ◇編集部◇
  今回は、企業経営に影響を及ぼすと考えられる高齢化問題に対する社会
  の関心や、既に表面化している影響などについておうかがいしてきたい
  と思います。

  日本の場合、65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合(高齢化率)
  は諸外国と比べても高く、現役世代約3人で1人の高齢者を支えていると
  言われており、今後もこの状況はさらに進行するとされています。

  こうした社会背景から、日本では企業に対しても「定年制の廃止」、
  「継続雇用制度の導入」、「定年年齢の段階的な引き上げ」のいずれか
  を義務付けるなどの動きがあり、企業経営を進める上でも急速な高齢化
  への対応は意識せざるを得ない状況となってきています。

  こうした日本の状況と比べて、中国やアメリカにおける社会の高齢化に
  対する関心の高さや意識は、どのような状況ですか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  アメリカの場合、雇用現場という視点で考えると高齢化を意識する必要
  性やタイミングがあまりないのではと思います。理由の一つには、基本
  的にアメリカでは「定年」が存在しないことが挙げられます。なぜなら、
  何歳になったら退職しなければならないという考え方は年齢差別に当た
  るからです。アメリカにおける退職の判断基準は、あくまでも「年齢」
  ではなく、「職務を果たす能力の有無」です。そのため、履歴書にも生
  年月日や年齢を記述する欄はありませんし、面接でも年齢に関する質問
  をすることはありません。

  一方、社会全体という視点で見てみると、ベビーブーマーが年金受給世
  代になり、財源が圧迫してきているなどの問題はありますが、アメリカ
  の場合、人口が増加を続けているなどの背景から、一般社会においても
  高齢化に対して日本ほどの危機感を感じていないように思います。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国においては、高齢化そのものよりも「富める前に老いる」ことに対
  して危機感を持って受け止められているようです。とはいえ、現在の中
  国では世間全体が目の前の成長を謳歌している状況ですから、裕福にな
  る前に歳を取ってしまうという、将来的なことに対する危機感は、決し
  て一般的なものとは言えないのではないかというのが個人的な見解です。

 ◇編集部◇
  では、実際に高齢化が社会や景気、企業経営に及ぼす影響については、
  どのようなものがあると考えられていますか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  一般的に高齢化の問題は、少子化と高齢化が同時に進むことで人口が先
  細り、国としての活力が失われていくことにあると言われますが、先程
  もお話しました通り、アメリカは先進国の中では珍しく人口が増加して
  いる国です。そのため、現時点では急激な人口減少による国力低下の可
  能性が少ないことからも、高齢化が景気に及ぼす影響についてはそれほ
  ど大きくはないと考えます。

  一方、企業経営に及ぼす影響を考えてみると、アメリカには日本のよう
  に充実した健康保険制度がないため、医療保険の高騰が企業経営を圧迫
  するということが考えられます。スタッフの高齢化が進むと医療費がか
  さむ可能性も高くなり、これをカバーする医療保険を選択しようとする
  と、どうしても企業の負担も増えてきますからね。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  年金問題は日本に限らず中国でも大きな問題です。一部では、現在の年
  金基金は破たんしているという声を耳にすることもあるほどです。最近
  話題になっている「外国人の社会保険加入の義務付け」という政策も、
  この年金基金の補填のためという意見も一部では存在しているようです。
  とはいえ、あくまでもこれらは現地の声というレベルのもので、年金基
  金の厳しい財政状況を改善するための具体的な施策はまだ何も出てきて
  いません。ただ、これが具体化した際は、景気や企業経営双方にとって
  大きなインパクトを与えることになり得ると思われます。

 ◇編集部◇
  こうした状況を受けて、国や企業が高齢化対策として何か進めているも
  のはありますか
 
 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  国の動きで言えば、日本と同様に年金受給年齢の引き上げが行われてい
  ます。現在は65.5歳からが年金受給のスタートとなっていますが、これ
  が2027年までに段階的に67歳まで引き上げられる計画です。つまり、
  1960年生まれ以降の方々は、前倒し受給という手もあるものの、基本的
  には67歳からの受給スタートになります。

  一方、企業の動きとしては福利厚生の一部としての401k(確定拠出型年
  金)等の退職年金プランの充実を図っています。アメリカでは、リタイ
  アのタイミングは自分自身で決めるというケースが一般的で、さらにリ
  タイア後は残りの人生を目いっぱい楽しむという国民性がありますので、
  リタイアに対するネガティブなイメージはほとんどありません。そこで、
  リタイア後の生活をより充実させるための資金面のケアを行う企業は多
  い気がします。また、401kの他にも、早期退職に対する退職金制度を設
  けて、リタイア後の資金面のサポートを行っている企業も多いようです。
  ちなみに、アメリカでは年齢による差別、退職勧告等はいけませんが、
  年齢を問わない早期退職制度は合法です。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国の場合、老後の社会保障制度は非常に脆弱です。まだ明確な指針な
  どは見えてきてはいないのですが、高齢化の先進国である日本を参考に
  して、同じように「定年退職年齢の変更」などの措置を取ることはあり
  得るかもしれません。 また、こうした中でも、少しでも長く社会保障
  による安心がほしいというニーズが一定数あることから、上海では数年
  前から任意で定年退職年齢以降も継続して社会保険を納付できるように
  なっています。さらに今後は、定年退職時の「経済補償金支給」などの
  政策案が出てくるかもしれませんね。

 ◇編集部◇
  高齢化が進む社会に対する意識や対応は当然ながら国によってまちまち
  ですが、アメリカ・中国とも日本と同様に、今後高齢者の人口が増えて
  いくということに変わりはありません。では最後に、現地における一般
  的な高齢人材の採用スタンスについてお教え下さい。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  アメリカの場合、先程もお話しましたように、年齢により採用スタンス
  を変えたり、待遇面を変えることはできないため、高齢人材もその他人
  材と同じ対応になります。とはいえ、日系企業の場合、「年齢差別をし
  ていてはいけない」と頭では理解していても、年齢を気にする風潮は、
  依然として残っていると感じるケースがあります。こうした企業に対し
  て、年齢ではなく、求職者のスキルや経験、やる気を判断材料に採否を
  決定いただくよう説明し、理解を促すことが人事コンサルタントとして
  の私たちの大切な役割だと考えています。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  高齢人材の雇用という点では、中国でも日本と同じく定年退職後の再雇
  用という採用スタイルが散見されます。採用の決め手に関しては、その
  人が持っているスキルや経験、人脈などが今後の事業展開で活用できる
  かという点が多いような気がしますね。待遇面については採用する人材
  によって状況が異なりますので、一概には言えませんが、なかなか求め
  る人材の採用に難航している企業や、これから新たに中国へ進出したい
  企業、既に中国に進出していて新たな分野に事業展開を図ろうという企
  業などは、こうした高齢人材へも目を向けることで、より採用の可能性
  も広がってくるのではないでしょうか。

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 【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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 日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
 クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
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 ■6月13日(水)17:00~18:00

  第17回新卒採用担当様向けの新たな情報収集・交換の場
  【クイックラウンジ】『内定者フォロー』
 
  ◇会場  株式会社クイック セミナールーム
       東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
       (銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
  ◇参加料 無料(コーヒー、お菓子をご用意してお待ちしています)
  ◇対象  新卒採用の新任ご担当者様

  詳細は、
  セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで


 ■6月19日(火)13:00 ~ 15:00(12:50 開場)
 
  『人事相談会』
  ~人事のお悩み、なんでもお答えします~

  ◇内容  人材育成体系、人事制度、組織構築と運用
       コンプライアンス(パワハラ・セクハラ)
       メンタルヘルス、採用、労務全般、など。
  ◇会場  株式会社クイック セミナールーム
       東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
       (銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
  ◇参加料 無料
  ◇講師  ヒューマンキャピタル総合研究所 所長 乾 孔二
  ◇対象  経営者、人事の方
  ◇定員  5社(6/19分:現在4社)

  詳細は、http://happy.919.jp/documents/jinjisoudannkai.pdf または
  セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで

  ※今後の予定
   7月3日(火)17:00~18:00、8月7日(火)17:00~18:00、
   9月12日(水)17:00~18:00


 ■6月21日(木)15:00 ~ 17:00(14:45 開場)

  『適性検査「CUBIC」解体新書』

  ◇内容  適性検査を行う意義とは?
       3,500 社が導入している適性検査「CUBIC」の特徴 
       CUBIC 活用事例  
  ◇会場  株式会社クイック セミナールーム
       東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
       (銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
  ◇参加料 無料(CUBICトライアル付き)
  ◇対象  経営者の方・採用ご責任者様・ご担当者

  詳細は、
  セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで


 ■6月27日(水)13:00 ~ 15:00(12:45 開場)

  『「CUBIC」相談会』

  ◇内容  CUBICをご利用中のユーザー向け相談会及び情報交換会
       ユーザー同士の活用事例も情報交換頂けます
  ◇会場  株式会社クイック セミナールーム
       東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
       (銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
  ◇参加料 無料
  ◇対象  CUBICユーザー企業の採用ご責任者様、ご担当者様

  詳細は、
  セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで


 ■9月6日(木)10:00~17:00

  新入社員の悩みを一気に解決!
  『新入社員フォローアップ研修~コミュニケーション編~』

  ◇内容  入社して、半年。新入社員たちは悩んでいます。
       そんな新入社員へたちの不安を解消!
       自分自身の甘えや改善点が明確にし、
       自分の立場を理解し、相手の気持ちを理解した
       コミュニケーションに変化する方法などをお教えします。

  ◇会場  株式会社クイック セミナールーム
       東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
       (銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
  ◇参加料 25,000円(1名様)
  
  詳細は、http://happy.919.jp/documents/shinnyusyainn120906.pdf または
  セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで

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