- 2012.10.31
- 『世界の人事部(R)』Vol.42【現地スタッフの雇用形態について 中国編】
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部(R)』
【Vol.42 2012.10.31】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
先日、活力ある企業経営をテーマとした講演に参加してきました。
その中で特に印象に残ったのは、「企業を元気にさせるためには、
『いい場』をつくることが大切」というお話でした。
私たちが、最もいきいきと仕事に向き合っている時間は、
自分たちがやりたいことを、自分で形にしていく過程であり、
同じように、社内でもスタッフがこうした想いで仕事に取り組めるよう、
様々なことを「しやすい」場や雰囲気を創っていくことができれば、
自然と社内には活力が出てくるとのことでした。
もちろん、何でもありというわけにはいきませんが、
まずは今以上に「コミュニケーションしやすい」場を創ることからでも、
十分に職場の活性化にはつながるのではないかと感じました。
もし、今、職場にもう少し元気がほしいという方は、
こうした考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■─────────────────────────
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第42回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
ニュースを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
<アメリカ> QUICK USA INC.が、11月1日(木)、
ニューヨークオフィスにて、無料「登録・就職相談会」を開催
<日本> 株式会社アイ・キューが、11月13日(火)、14日(水)の両日、
日本の人事部「HRカンファレンス 2012 -秋-」を開催
日本の人事部 HRカンファレンス開催概要
http://hr-conference.jp/
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから
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アメリカの最新求人情報を随時更新中
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日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第42回】『世界の人事の現場から』
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【第42回テーマ】
「現地スタッフの雇用形態について 中国編」
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◇編集部◇
今回のテーマは、現地スタッフの雇用形態です。
この雇用形態は、スタッフのライフスタイルを左右する重要なファクター。
もちろん企業としても、効果的な採用、人件費のコントロールも含め、
効率的な経営を行うには、適切な雇用形態を採用することが大切でしょう。
さらに、海外という未知の土地で事業を展開していくのであれば、
よりその重要度は高まってくるのではないでしょうか。
そこで今回及び次回は、現地における雇用形態について改めて確認していきたいと思います。
第一弾の今回は、中国における一般的な雇用形態について教えていただけますか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
まず、中国でよく使われている雇用形態には、
会社が労働者と直接労働契約を結ぶ「直接雇用」と、日本で言うところの
派遣活用を表す「労務派遣」を指す「間接雇用」の二つに大別されます。
基本的には双方とも「全日制雇用」となりますが、
「直接雇用」では例外的に「非全日制雇用」という形態での雇用も可能です。
◇編集部◇
それぞれの雇用形態に関する基本的な概念や、各雇用形態でスタッフを
雇う場合に企業として注意しておくべきポイントについてお願いします。
◆人事コンサルタント(中国)◆
まず、「直接雇用」における「全日制雇用」ですが、
雇用契約の形態から考えても、日本の正社員に近いイメージだと思います。
ただ、日本の正社員と違うのは労働契約期間が三つに分かれている点です。
最初に期間の定めのある固定期間契約、
次に期間の定めのない無固定期間契約、最後に一定業務完成期間の契約です。
日本で正社員と言えば、無固定期間契約を考えがちですが、
中国では少し状況が異なります。とはいえ、ホワイトカラーや高級管理者、
コア人材等、会社の中心メンバーとして長く勤めてほしい人材には、
無固定期間契約を結ぶことで社外流出を防ごうとする企業も多いようです。
労働契約期間に選択肢がある点にはメリットを感じる企業もあるかと思いますが、
その長短に応じて試用期間の上限が変わってくるので注意が必要です。
例えば、一定業務完成期間や3カ月未満の固定期間の契約の場合、
試用期間を設けてはいけません。また、固定期間契約でも、
3カ月以上1年未満の場合は最長1カ月、1年以上3年未満の場合は最長2カ月、
3年以上の場合は最長6ヵ月と、契約期間に応じて試用期間の上限が細分化されています。
ちなみに、無固定期間契約についても最長6ヵ月の試用期間の上限が定められています。
また、契約解除、つまり解雇については、その解除条件が法律によって定められています。
この法定解除条件に一致した場合、会社は合法的に解雇を行うことができます。
ただし、労働契約の更新を行わない場合等、合法的な解雇であっても、
会社側の原因による契約解除の場合は、経済補償金が必要なケースが多いので
留意しておくと良いと思います。
◇編集部◇
同じ雇用形態の中で契約期間、それに伴って試用期間が複数に分かれている点は、
日本の企業にとって馴染みが薄いでしょうから、運用する上でもコツが必要でしょうね。
◆人事コンサルタント(中国)◆
次に「労務派遣」ですが、派遣先と派遣スタッフの立場は日本と同じです。
一方、派遣会社は派遣スタッフとの間に2年契約を結ばなければならないため、
派遣会社は派遣スタッフの仕事がない時期にも、
所在地の最低賃金基準に基づいて毎月給与を支払わなければなりません。
その意味では、両者の関係は日本の特定労働者派遣に近いイメージでしょうか。
こうした背景から、派遣契約を契約途中で解除する場合、派遣会社から
残存期間分の社会保険料や最低賃金を求められる可能性もあり注意が必要です。
また、現在の中国における労務派遣の方向性としては、臨時性や補助性、
代替性のある職位に限定しようという流れにあります。具体的には、
臨時性については労務派遣活用の継続期間が6か月を超えないこと、
補助性については会社の主要業務のサポート職に限ること、
代替性についてはスタッフが何らかの事情により、
一定期間業務ができない状態でなければ派遣活用ができない等の条件が検討されています。
現在は、まだ草案段階ですが、正式に法律化された場合は、
派遣会社はもちろん、派遣活用する企業側にも影響が出てくるものと思われます。
最後に、「直接雇用」における「非全日制雇用」ですが、
これは1つの会社で1日の平均労働時間が4時間を超えず、
さらに1週間の労働時間の累計が24時間を超えない雇用形態のことを言います。
この条件を満たしていれば、労働者は掛け持ちで働くことも可能です。
ただし、2社目以降の職場との労働契約は、
それ以前の職場との契約に影響を与えてはいけません。
その他、雇用者サイドとして気を付けたい点としては、
試用期間を設けてはいけない点、
給与の支払い周期が15日を超えてはいけない点等があります。
なお、「非全日制雇用」スタッフの解雇は本人への通知により行えますが、
「全日制雇用」とは違って経済補償金支払いの義務はありません。
◇編集部◇
中国において人材を採用しようとした場合、全日制雇用や労務派遣、
非全日制雇用以外の形でスタッフを雇用することは可能ですか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
全日制雇用、労務派遣、非全日制雇用は労働契約による雇用になりますが、
これらとは別に中国では労務関係による雇用形態もあります。
どのようなケースがこれに当たるかと言いますと、
一つは法定定年退職者の再雇用の場合、次に雇用主との協議によって
社会保険関係を保留している「協保人員」の再就職の場合、
最後に学生さんを雇用する場合が該当します。
これらの場合、会社はこれらの方々と労働契約ではなく、
労務契約または労働協議によって労働時間や最低賃金などを定める必要があります。
なお、これらの契約・協議は労働契約とは異なり労働法に保護されませんので、
会社とスタッフ、どちらにとってのメリットを追求するかは企業次第と言えます。
それだけに、双方にとってメリットを実感できる契約を締結することは、
人事担当者にとっての腕の見せ所になるかと思います。
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セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで
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コンプライアンス(パワハラ・セクハラ)
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◇会場 株式会社クイック セミナールーム
東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
(銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
◇参加料 無料
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◇対象 経営者の方、人事ご担当者様
◇定員 5社
詳細は、http://happy.919.jp/documents/jinjisoudan-10-12.pdf または
セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで
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◇内容 適性検査を行う意義とは?
3,500 社が導入している適性検査「CUBIC」の特徴
CUBIC 活用事例
◇会場 株式会社クイック セミナールーム
東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
(銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
◇参加料 無料 ※CUBICトライアル付き
◇対象 経営者の方・採用ご責任者様・ご担当者
詳細は、http://happy.919.jp/documents/10-12cubic.pdf または
セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで
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