- 2013.06.28
- 『世界の人事部(R)』Vol.50【2013年上半期 現地ニュース TOP3&下半期展望】
□■□――――――――――――――――――――――――――――――
― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部(R)』
【Vol.50 2013.6.28】
――――――――――――――――――――――――――――――□■□
発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。
先日、カンボジア プノンペンで開催された世界遺産委員会で、
「富士山」が文化遺産として世界遺産に登録されることとなりました。
日本一の山として親しまれてきた「富士山」が、名実ともに
日本を代表する名山となったことは、本当にうれしいニュースです。
今回の件で、富士山のお膝元では観光産業が盛り上がるでしょうし、
近年のマラソン・ランニングブームに押されている印象の強かった、
登山やアウトドア関連のビジネスも飛躍のきっかけをつかむのではと
感じています。
一方で、現在海外でご活躍の日本人の方々にとっても、今回のニュースは、
故郷を離れているからこそ感じる喜びや感慨があったのではないでしょうか。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■─────────────────────────
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第50回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
─────────────────────────────────
─────────────────────────────────
【1】 今月の人事労務ニュース
─────────────────────────────────
中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
ニュースを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
<中国> 国内関連人力資源研究調査機構が、2013年第1四半期の
主要都市平均賃金ランキングを発表。
1位の上海の平均賃金は月額7,112元
<中国> 「2013大学・専門学校卒業生の就職形成報告」によると、
ベンチャー企業等の新興零細企業の平均賃金は月額5,675元
<中国> 上海クイックマイツ有限公司が、最新の法改正内容を網羅した
「上海市 人事・労務の法知識2013」の申込み受付を開始
「上海市 人事・労務の法知識2013」概要
http://www.919myts.com.cn/hotnews.aspx?ID=1302
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213
アメリカの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
ベトナムの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://919vn.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
─────────────────────────────────
【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第50回】『世界の人事の現場から』
─────────────────────────────────
【第50回テーマ】
「現地人事コンサルタントが選ぶ
2013年上半期 現地ニュース TOP3&下半期展望」
------------------------------------------------------------------
◇編集部◇
2013年も6月終盤となり、早くも折り返しを迎えようとしています。
この間の日本経済は、昨年末の政権交代以降の、いわゆるアベノミクスの
効果等によって為替相場は円安に、株価についても一時期1万6千円に迫るなど、
景気回復の兆しが見え始めていました。しかし、5月23日以降は株価の
乱高下が続くなど、景気の先行きは不透明な状況になっています。
こうした中、日本の雇用情勢は、景気の回復局面に合わせて各社の
採用マインドも上昇しており、新規求人倍率や有効求人倍率といった
指標も着実に改善してきました。ただ、その一方で、大手半導体や電機
メーカーによる数千人規模の早期退職者募集やリストラの実施など、
製造業の一部では依然として厳しい状況が続いているなど、
雇用情勢は二極化が進んでいると感じています。
一方で、アメリカや中国の2013年上半期はどのような半年間だったでしょうか。
まずは、この半年を振り返ってみて、印象に残ったニュースをお願いします。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
まず最初に挙げたいのは、「ボストンマラソンでのテロ」です。
今回のテロにより、アメリカにおけるテロの脅威が再燃したということ、
それによる今後の国民の暮らしや企業活動への影響を考えると、
事件そのものの規模や被害の大きさ以上に重くとらえるべき事件だと感じています。
この事件以降、空港や公共施設での警備体制は強化され、
市民生活は何かと不便になったと実感する機会も増えました。
また、いつどこでテロが起きるか分からない状況であることを再認識
させられたことで、企業においてもリスクマネジメントの在り方など
について、改めて見直す機会になったのではないかと思います。
次に挙げたいのは、「株価、住宅価格の高騰と失業率の低下」です。
ダウ平均株価は年初から概ね右肩上がりで好調な状況が続いています。
住宅価格については、都市部では在庫不足、価格高騰とバブルと
思わせるような状況が続いています。地方ではいまだにリーマン
ショックの影響による価格低迷から抜け出せない状況が続くなど
二極化が進んでいるとはいうものの、株価同様、住宅販売の好調ぶりも
景気の回復を支えていると言えるでしょう。
こうした景気回復の動きを背景に、民間企業の採用意欲は高まってきていて、
5月の失業率も7.6%まで下がるなど、雇用環境は順調に改善されてきています。
一方、連邦政府の財源削減のため、今年3月から公務員のリストラが行われており、
雇用については、官と民で二極化が進んでいると言うことができるかもしれません。
◇編集部◇
先日、日本でも経費削減のため、55歳以上の国家公務員の昇給を
来年1月から原則停止する改正給与法が成立しました。これについては、
高年齢層の給与について民間との格差を是正しようという狙いも
含まれているとのことですが、同じ経費削減というテーマに対して、
日本では雇用を維持して昇給をストップという方法を採り、
アメリカではバッサリ雇用を削減すると、そのアプローチの方法も非常に対照的ですね。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
最後に取り上げるのは、「アメリカへ進出する日本企業の増加」です。
これについては製造業だけでなく、食品やサービス、飲食業など、
様々な業界の日本企業、中でも中小企業のアメリカ進出が目立っています。
これについては、中国に進出していた企業が、
人件費の高騰や尖閣問題に端を発する日中関係の悪化等の理由から、
アメリカに拠点をシフトしているケースが多いのではないかと考えます。
◇編集部◇
一方、中国では、この上半期を振り返って、どのようなニュースが
特に印象に残りましたか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
まず、食の安全に関する話題として「香港粉ミルクの持ち出し制限」
というニュースがありました。
これは、中国人による香港の粉ミルクの買い占めが深刻な問題となって
いたことから、香港政府が中国本土への粉ミルクの持ち出しを1人2缶まで
としたものです。国産品ではなく、あえて国外の製品を求めるという点に、
国民自身の国産品に対するスタンスが浮き彫りとなった出来事ではないかと感じました。
また、「上海及び北京における不動産取引税の導入」も大きなニュースでした。
中国では、数年前から不動産価格の高騰が深刻な問題となっており、
これに対して、政府としても新たな価格抑制策を探っていたのですが、
それが今回、不動産取引税という形で実施されることになりました。
この不動産取引税の内容ですが、上海、北京における中国不動産の取引に
対して、「売買益」の20%に当たる税金を徴収するというものです。
個人的には、「販売価格」ではなく、「売買益」の20%というあいまいな
基準を設けているところに、政府の、不動産価格の高騰を放置はできないが、
一方で今の不動産バブルもはじけてほしくないという思惑が見え隠れして
いると感じますね。販売価格と違って、売買益は費用との関係もあるため、
取引業者によって金額も変わってくるでしょうから、今回の税金導入が
どの程度効果があるのかについては、現時点ではまだ不透明と言えるでしょう。
3つめのニュースは、「フォックスコンでのストライキ」です。
アメリカアップル社のiPhoneやiPadの受託生産等で知られている
フォックスコンの北京工場で、年末賞与の支給や賃上げを巡って
1,000人規模のストライキが発生しました。
とはいえ、フォックスコンでは、昨年9月に山西省で数千人規模の暴動が
あったほか、10月にも河南省の工場で、過度の品質管理や連休中の休日
出勤に対する4,000人規模のストライキが発生し、iPhone5の生産ラインが
停止しています。さらに、今年に入っても、1月に江西省の工場で待遇
改善を求めて1,000人以上のスタッフがデモを行うなど、今回に限らず
経営サイドとスタッフとの衝突が頻繁に起こっています。
ここまで頻繁に衝突が起こる同社は特殊な例かもしれませんが、
日系企業に限らず、中国で事業を展開する企業にとって労働紛争は、
依然として大なり小なり経営リスクの一つであることは間違いありません。
それだけに、私たちが手掛ける人事・労務コンサルティングサービスに
対するニーズや注目度も高まってきていると実感しています。
◇編集部◇
では、最後に両国の下半期の展望についてご意見をいただけますか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国では上半期、人件費の高騰を理由に製造業の生産縮小や企業の撤退
等の暗い話題が目立っていましたが、国内マーケットにおける営業や
販売を強化していこうという動きも出始めてきています。現時点では、
今年の経済成長率の見通しが下方修正されるなど、依然として見通しが
明るいとは言い難い状況ですが、内需の拡大によって少しでも景気に
力強さが戻ってくれればと思っています。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
アメリカに関して言えば、景気の先行きは期待と懸念が混在している
状況と言えばいいでしょうか。
とはいえ、雇用情勢が改善してきているので、アメリカのGDPの7割を
占める個人消費も上向いてくるのではないでしょうか。
また、先程お話しました株価や住宅価格の上昇も、一過性のバブルではなく、
このまま安定して上昇していってほしいですね。
そんな中、日系企業の景気につきましては、引き続き下半期も好調と言えそうです。
実際、私たちのもとへ届く求人案件の数も年初から増えてきています。
ニューヨークやロサンゼルス、シカゴ等の都市部はもとより、
テキサスやミシシッピー州等の中西部、南部の日系企業からのオファーも
増えてきており、日系企業の好況感を肌で感じています。
私たちも、こうした求人案件に1つでも多く応えることで、
日系企業の成長をしっかりとサポートしていきたいですね。
─────────────────────────────────
【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
─────────────────────────────────
日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
興味、関心の高いセミナーがございましたら、今すぐお申込を!
■東京会場 7月9日(火) 15:00~17:00
■大阪会場 7月11日(木) 15:00~17:00
『The Wall Street Journalが2日で読める
「ビジネス英語最速理論(R)特訓」ご紹介セミナー』
◇内容 ・ビジネスパーソンとして、英語新聞を読むメリット
・日本人が英語を10年間勉強しても使えない理由
・95%の英語を支配する、5%のルールとは
・たった2日間でウォールストリートジャーナルが読める理由
・実際に読んでみよう(演習)
◇会場 ■東京会場
株式会社クイック セミナールーム
(東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館6階)
(東京メトロ南北線・銀座線「溜池山王駅」12番出口直結)
■大阪会場
株式会社クイック セミナールーム
(大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
(JR大阪駅、各線梅田駅、直結)
◇参加料 無料
◇対象 海外進出したい経営者、社員の英語力を高めたい人事担当者、
個人的に英語を学習したい方
◇お申込 ■東京会場
セミナー事務局(seminar@919.jp)まで
御社名、お役職、ご氏名、ご連絡先、E-mailアドレス、
参加人数をメールいただくか、
チラシ(http://happy.919.jp/documents/english1306-07)に
必要事項を記載の上、03-5573-9181までFAX下さい
■大阪会場
セミナー事務局(ikeuchi@919.jp)まで
御社名、お役職、ご氏名、ご連絡先、E-mailアドレス、
参加人数をメールいただくか、
チラシ(http://f.msgs.jp/r/c.do?5W_8id_z_dcy)に
必要事項を記載の上、06-6364-2240までFAX下さい
─────────────────────────────────
【メールの表示について】
このメールは等幅フォントを使用し、横幅全角35文字以上の設定で
正しく表示されるように作成しております。
また、本メールマガジンより生じる損害・トラブルにつきましては
一切の責任を負いません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
□発行元 株式会社クイック『世界の人事部(R)』編集部
■URL http://919.jp
□ご意見・お問い合わせ info-koho@919.jp
掲載された記事・情報を許可なく転載することを固く禁じます。
Copyright(C)2013 QUICK CO., LTD. All rights reserved
このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/を
利用して発行しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――