メールマガジン

2014.03.31
『世界の人事部(R)』Vol.59【現地日系企業のリスクマネジメントについて】
□■□----------------------------------
            ─ 中国・米国・日本の人事労務レポート ─
              『世界の人事部(R)』
                          【Vol.59 2014.3.31】
----------------------------------□■□
  発信元:http://sekai-jinjibu.com/
 
 
 こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。
 
 先週、フィギュアスケートの世界選手権が開催されました。
 今大会では、ソチオリンピックで日本男子初の金メダルを獲得した
 羽生選手が世界選手権でも優勝に輝き、2冠の王者となりました。
 オリンピックが2月開催のため、翌月開催されるこの大会には体調
 管理やモチベーションの維持が難しいといわれる環境の中での優勝。
 この記録から感じたのは、「成長」に挑戦することへの大切さです。
 羽生選手は、金メダルのプレッシャーを乗り越え、自身への更なる
 成長に挑み、打ち勝っての優勝。過去の成果にとらわれることなく、
 チャレンジし続けることで成長する姿勢は、企業経営にも通じる部
 分があると思います。
 
 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。
 
 
□■CONTENTS□■------------------------------
 
 【1】 今月の人事労務ニュース
 
 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第59回】『世界の人事の現場から』
 
--------------------------------------
 
 -------------------------------------
 【1】 今月の人事労務ニュース
 -------------------------------------
 
 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
 スを見出し形式でご紹介。
 
 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
 
 <中国>   時代報によると、この春転職を希望する上海のホワイトカラー
        は7割と全国第3位に。
 
 <中国>   人民ネットによると、中国の各都市におけるホワイトカラーの
        平均賃金は全国1位が上海、第2位が北京に。
 
 <日本>   株式会社アイ・キューが、
        5月20日(火)・21日(水)、22日(木)東京・大阪で同時開催!
        日本の人事部「HRカンファレンス 2014 ─春─」を開催
        日本の人事部 HRカンファレンス開催概要
        http://hr-conference.jp/
 
 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
 アクセスはこちらから⇒
 http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213
 
 アメリカの最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
 
 ベトナムの最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://919vn.com/
 
 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
 
--------------------------------------
 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
       【連載:第59回】『世界の人事の現場から』
--------------------------------------
 【第59回テーマ】
 「現地日系企業のリスクマネジメントについて」
--------------------------------------
 ◇編集部◇
  今回のテーマは、「現地日系企業のリスクマネジメントについて」です。
 
  現在、ウクライナ情勢をめぐるロシアの動きを受けて、アメリカ・欧州各国が
  経済制裁を含めたロシアへの対応を検討しています。仮に、今回のロシアと欧
  米各国のように、日本とアメリカ、日本と中国間でも、経済的な問題や国民感
  情のもつれ等によって関係がこじれた場合、アメリカ・中国に拠点を構える現
  地日系企業、さらにはそこで働く日本人にとってどのような問題・影響が生じ
  てくるのでしょうか。今回は、2012年度に大規模なデモが実際に起こった中国
  サイドを中心にお話を伺っていきたいと思います。
 
 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  日中両国間で問題が起こった際に、ネット上で不買運動や日本製品叩きがよく
  見受けられます。最近では、中国メディアは日系カメラメーカーの不良品問題
  を国営放送で報じました。
  また、デモの際には、日系企業・日本人に対する暴行事件も発生しています。
 
 ◇編集部◇
  このようなリスクに事前に手を打っておくべき、備えておいたほうがよいこと
  などありますでしょうか。
 
 ◆人事コンサルタント(中国)◆
   歴史や政治の問題が絡んでくることなので事前の予防は難しいですね。
  ただ、「常に日中関係についての情報収集を心掛ける」ことで、実際に問題が
  生じてしまった時にも迅速な動きが取れることから被害を最小限に抑えること
  も可能かもしれません。その他の事前対策としては「地元政府や工会(労働組
  合)と良好な関係を築く」ことも大切です。そのためには、まずコミュニケー
  ションをしっかり取ることです。工会の役員と定期的に情報交換をし、労使の
  協調関係を築くことを心がけます。
 
  また、備えるということとは意味合いが異なりますが、中国で商品を販売する
  企業の場合、商品の品質に対して細心の注意を払う事はもちろん、アフターサ
  ービスにも万全を期す必要があります。前述した日系カメラメーカーは、カメ
  ラの撮影画像に黒点が移りこむ不具合が発覚したにもかかわらず、対応策をと
  らない等、追加のアフターサービスや保障対策が不十分であることが問題とな
  りました。
 
 ◇編集部◇
  中国におきましては、尖閣諸島の問題で日本への大規模なデモがありましたが、
  今後同様の問題が起こった際は、どのように行動すればよいでしょうか。
 
 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  大規模なデモが発生した場合は、「デモには近づかない」、「夜の外出を控え
  る」、「状況が悪化した場合、出国できるよう備えておく」ことが必要になり
  ます。
 
 ◇編集部◇
  仮に、こうした問題が深刻化し、日中の重要な国際問題にまで発展した場合、
  極端なケースとして日本人労働者や現地日系企業の締め出しということもある
  のでしょうか。聞くところによると最近、中国では外国人労働者へのビザが取
  得しづらくなっているとのお話を耳にするのですが。
 
 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  その理由は大きく分けて二つあります。まず、内的な理由として、中国人若年
  層の就職難や高失業率が上げられますね。海外の人材に門戸を開くよりも先に
  国内の人材をどう生かしていくのかを考えるほうが先決という思惑があるかと
  思います。一方、外的な理由としては、特に途上国の外国人の不法滞在、不法
  就労の増加があげられます。日中関係悪化に伴う締め出しの可能性については、
  想像できませんが、現在中国国内で日本人を含めた外国人労働者へのビザが降
  りにくくなっていることは事実です
 
 ◇編集部◇
  この就業ビザの問題について、実際に日系企業に影響はありますか。
 
  ◆人事コンサルタント(中国)◆
  年齢、学歴や就業経験を理由に認められない場合が増えています。こういう現
  状を受けて、就労ビザを取らずに、中国で就業しているケースも有るという話
  を耳にすることがありますが、当然のことながら、中国での活動実態に合った
  ビザをきちんと取得しなければいけません。
 
  ちなみに、就労ビザを取得せずに働くと、1万元以下の罰金、強制送還となっ
  た場合、最長10年の再入国禁止措置とされる可能性があります。
 
 ◇編集部◇
  ビザの問題については日米間でも制限される可能性はあると思うのですが、い
  かがでしょうか。
 
 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  ビザの発給凍結は両国間で行われるので、もし、アメリカでの日本人のビザが
  凍結されるなら、日本でのアメリカ人のビザも凍結となります。過去にこのよ
  うなケースがあったのは、確か第二次世界大戦時だったのではないでしょうか。
  日本が中国の配下に入る等関係に大きな影響を与えるような状況となれば話は
  別ですが、同盟国であるかぎりは、ビザ発給が制限されたり阻止されることは、
  まずないと思います。
  ただ、ビザではありませんがTPPがこじれた際の経済制裁は可能性あるかもしれ
  ませんね。実際、1987年に施行された「日米半導体協定」では、日本製の半導
  体製品(パソコン、FAX、TV)等に100%の関税がかけられ、これにより日本企
  業が大打撃を受けました。
 
  そうした意味では、今後のTPP動向については、日本国内だけでなく現地日
  系企業にとっても非常に関心の高い問題であり、注目すべき問題ではないかと
  感じています。
 
 --------------------------------------
 【メールの表示について】
  このメールは等幅フォントを使用し、横幅全角35文字以上の設定で
  正しく表示されるように作成しております。
  また、本メールマガジンより生じる損害・トラブルにつきましては
  一切の責任を負いません。
 
---------------------------------------
 □発行元 株式会社クイック『世界の人事部(R)』編集部
 ■URL http://sekai-jinjibu.com/
 □ご意見・お問い合わせ info-koho@919.jp
 
 掲載された記事・情報を許可なく転載することを固く禁じます。
 Copyright(C)2014 QUICK CO., LTD. All rights reserved
 
 このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/を
 利用して発行しています。
◎中国・米国・日本の人事労務レポート『世界の人事部(R)』
  のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000293575/index.html
PAGETOP