- 2014.05.30
- 『世界の人事部(R)』Vol.61【中国・アメリカ企業における、女性活用の現状について】
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─ 中国・米国・日本の人事労務レポート ─
『世界の人事部(R)』
【Vol.61 2014.5.30】
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発信元:http://sekai-jinjibu.com/
こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。
少子高齢化が進み、労働力不足が深刻化する中、安倍首相の「女性の活躍
は成長戦略の中核をなすもの」というコメントからも分かるとおり、今や
女性の活用は企業にとっても大きな課題となっています。
国外からの労働力に期待するという考え方もありますが、女性はもちろん、
定年後の高度(高齢)人材をはじめとして、国内の人的資源を活用できる
余地が残されているのであれば、これを活用しない手はないでしょう。
現在、日本では共働き家庭等の子供を預かる学童保育を、5年間で30万人
分拡大することで、働く女性の仕事と子育ての両立をサポートしようとす
る動きがあります。とはいえ、企業における受け入れ態勢や男女間の待遇
格差、女性自身の就業意欲の低下等、より多くの女性が活躍するためには、
解決しなければならない問題がまだまだ山積みの状況です。こうした状況
を少しでも改善するためには、私たち企業サイドとしても、各社なりに問
題の本質を見極め、改善に向けた取り組みをひとつでも進めていくことが
大切なことではないでしょうか。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■--------------------------------
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第61回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
<USA> 6月4日(水)、クイックUSAにて、
「就職、転職で活かす!LinkedIn(リンクトイン)」
セミナー開催が決定!
http://www.919usa.com/j/topicList.aspx
<USA> 6月9日(月)、クイックUSAにて、
「ポイントを押さえて面接力アップ」セミナー開催が決定!
http://www.919usa.com/j/topicList.aspx
<中国> 中新ネットによると、2013年中国大学・短大卒業生の卒業後の
就職率は71.9%。また、大学・短大卒業生の平均初任給は3378元
となり、男性が女性よりも就職率・初任給を上回った。
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒
http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213
アメリカの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
ベトナムの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://919vn.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第61回】『世界の人事の現場から』
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【第61回テーマ】
「中国・アメリカ企業における、女性活用の現状について」
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◇編集部◇
今回のテーマは、中国・アメリカ企業における、女性活用の現状について
です。
アメリカや中国への進出を考えている企業にとって、現地企業と日本企業の
女性の登用に対する考え方や認識を事前に理解しておくことは、現地スタッ
フをマネジメントする上で、とても大切なことだと思います。
そこで、今回は、アメリカや中国の現地企業および現地日系企業における、
女性活用に関する考え方や現状について伺っていきます。
このテーマは、以前にもお届けいたしましたが、それ以降、変化した状況も
あわせてお伝えしたいと思います。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
前回お伝えしたことですが、アメリカ企業は、男女間での賃金や昇進での
格差は「全くない」といっても過言ではありません。また、女性はもちろん、
男性が育児休暇を取得することに、会社側も何の疑問や抵抗もありません。
こうしたことは日本の企業や社会とは大きく異なる部分ですね。
女性目線の現実でいいますと、海外で働く日本人に共通する問題ですが、
両親・親戚が近くに居ませんので、子育てを全て自分達で行わねばならない
環境です。また、乳児を預かってくれる日本の保育園のような施設も少なく
費用も高額になるため、法的には90日の育児休暇があるものの、退職を選択
し育児に入る傾向があります。海外であるが故の避けられない問題です。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国でも同様に、男女共働きが一般的ですので、結婚・出産後も会社で働く
事が普通にみられます。職種も幅広く、管理職になる女性も少なくありません。
◇編集部◇
「女性の活用」のテーマは、2010年にもお聞きいたしましたが、その時から
特に変化したと感じることがありましたら、お聞かせください。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
以前と大きな変化はありませんが、残念ながら、日系企業ではまだまだ
「管理職=男性」の図式が根強くあります。優秀な女性社員は、米系企業で
働く選択肢があるので、よりスキルアップを図る女性は日系企業にこだわる
必要がなく、米系企業を選ぶ傾向が強いです。しかしながら、このことは、
有能な人材を流失していることになりますので、日系企業としては大きな
損失であると考えます。
現状、少しずつは変わりつつありますが、これには、未だ日本からの駐在員
の多くが男性であることが原因のひとつと考えられます。前例が少ないから、
女性社員を管理職として駐在させることに二の足を踏み、その現地実に直面
した優秀な女性社員は新天地を求めて社外流出するという悪循環です。本社
側でも女性を海外に送り出す風土を作って行かねばなりませんね。
◆人事コンサルタント(中国)◆
前回と変わらず、女性も男性同様に活躍していますが、当時と比べて少し変
化が見られるようになりました。
2014年教育青書「中国教育報告(2014)」によると、2013年度新卒生の平均
初任給は男性(3579元)、女性(3094元)となっており、男女の賃金格差の
拡大が見受けられます。また、募集段階で、男性を優遇する、面接時に結婚
の予定や出産の予定などを尋ねるなどの女性の雇用差別が以前より目立つよ
うになっています。
特に、女性の雇用差別の背景には、一人っ子政策の緩和が一因として挙げら
れます。北京や上海などの大都市ではすでに夫婦の一方が一人っ子であれば、
二人まで出産が可能になっており、2014年中にほとんどの地域でこの政策が
実施される予定です。雇用側は、育児休暇を複数回取得される事を敬遠し、
若い女性の採用には慎重な傾向です。一人っ子政策の緩和は、女性の雇用差
別だけでなく女性採用が消極的になることによって、男女の賃金格差にも間
接的に影響している部分があると考えます。
◇編集部◇
また、現地企業、現地日系企業に関わらず、女性が活躍しやすい職場を実現
しようと考えた時に、必要と思われる制度や育成方法、最近の制度や企業の
取り組みなどがありましたら、お教えいただけますでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
先ほど挙げた理由以外ですと、マイナーな理由になりますが、日本からの駐
在員はセクハラ訴訟に過敏になっています。このことが上司(男性)、部下
(女性)間で距離を置く理由にもなっています。コミュニケーション不足か
ら信頼関係も薄れ、部下に重要な仕事を任せられない、というのも考えられ
ます。これを改善するためには、セクハラについて正確な知識を得る事、そ
して過度に訴訟リスクを怖がらないことです。その上でコミュニケーション
を増やし、信頼関係を作り上げないといけません。これは各個人で考えるの
ではなく、会社・チームの問題として取り組む事が大事ですね。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国では、男女の性による役割分担の考えが薄いので、男性でも育児に協力
することが求められます。日系企業ではこの点に関する理解が低いように思
います。
女性が安心して働く事ができるためには、男性の育児休暇等の具体的な支援
が必要ではないかと感じます。
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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
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◇セミナー講師
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動画コンテンツ企画制作
◇ゲスト登壇
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(従業員数85名:うち正社員25名)の社長様にご登壇いただき、映像を
創ろうと思った背景、映像を使用して行った新卒採用で得られた成果に
ついてお話しいただきます。
◇主催&会場
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大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階(右記MAP参照)
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◇参加料 無料
◇対 象 経営者・経営幹部、人事・労務、採用に関わる方
◇詳細はこちら⇒
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