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2014.11.27
『世界の人事部(R)』Vol.67【中国・アメリカ国内でのメンタルスヘルスケア】
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            ─ 中国・米国・日本の人事労務レポート ─
                  『世界の人事部(R)』
                                 【Vol.67 2014.11.27】
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発信元:
http://sekai-jinjibu.com/

先日、安倍首相は来年10月に予定されていた消費増税の先送り(2017年4月)と、
衆議院解散・総選挙を行うことを表明しました。大きくアベノミクス効果を謳っ
ていたものの、今年4月からの消費税増税の影響もあって、内閣府が発表した
7-9月期の実質GDP1次速報値が、年率換算マイナス1.6%と大きく落ち込んで
いたことや、このタイミングでさらなる消費増税を実施できないことなど、
様々な理由が想定されています。
とはいえ、このタイミングで解散総選挙を行うことが、政権の思惑を優先される
だけの行為になっていないか。約2週間、少しでも準備して投票で答えを出した
いですね。

それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。



□■CONTENTS□■ ───────────────────────────────────────


 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第67回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報


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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュースを
見出し形式でご紹介。

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 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
       【連載:第67回】『世界の人事の現場から』
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 【第67回テーマ】
「中国・アメリカ国内でのメンタルスヘルスケア」
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◇編集部◇
 近年,過重労働・長時間労働がストレス要因となり,メンタル不調者が増加傾向にな
 ってきていることから、職場のメンタルヘルス不調者対策が深刻な問題となっていま
 す。そういったことを背景に、日本では今年の6月に労働安全衛生法(安衛法)の改正
 案が可決され、各企業に大きな影響があるのが、従業員のストレスチェック実施の義
 務化です。 
 今回の義務化により、これまで立ち遅れていた中小企業でのメンタルヘ
 ルスケアの取り組みが進むことが期待されています。
 こうした社員のメンタルヘルス問題について、中国・アメリカにおいて社会的な認知
 や意識ははどの程度進んでいるものなのでしょうか。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 アメリカ社会におけるメンタルヘルスへの認知度は、日本と同等か、それ以上に高い
 と思います。しかし、職場では従業員のプライバシー保護が法律で厳しく課せられて
 いますので、その対応や取り扱いは、差別や名誉毀損にならないように細心の注意を
 払わなければならず、その辺が一筋縄ではいかないところです。

◆人事コンサルタント(中国)◆
 中国における社員のメンタルヘルスに関する社会的認知や対応についてですが、アメ
 リカや日本よりも遅れていると感じています。しかし、ここ数年で従業員へのアンケ
 ートなどが行われており、実態と現状が少しずつですが、理解されるようになってき
 ました。

◇編集部◇
 実際に中国・アメリカの企業において、社員のメンタルヘルス問題はどれくらい発生
 しているのでしょうか。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 こちらでは、従業員のプライバシー保護の点から、かかりつけ医あるいは専門医では
 ない外部機関に従業員のメンタルヘルスを相談することは法的に規制がかけられてい
 ますので、そのようなご相談を今までに受けたことはないですし、仮に受けたとして
 もそのようなお話は一切聞かなかったということになりますので、具体的な発生率と
 いうのはわかりかねるというのが正直なところです。
 ただ、一般的にはアメリカでは何らかの障害を持つ従業員の50%は、メンタルヘルス
 からくる障害であると言われています


◆人事コンサルタント(中国)◆
 中国企業の従業員の間では約2億から3億の人がメンタルヘルス問題を抱えているとい
 われ、中国科学院心理研究所の調査では50%以上の人が、抑うつ、不安、不眠等、何
 らかのうつ症状をもっているという調査結果があります。こうした方々が医師の診断
 を受け、診断書を提出してきた場合、会社はそれに基づいて病気休暇を与えなければ
 なりません。一方、明らかに精神疾患によるトラブルと思われる労務トラブルもある
 ようですが、業務上のストレスとの因果関係などは現在のところ不明です。

◇編集部◇
  現地スタッフと日本からの赴任者は、どちらの方が、メンタルヘルス問題に悩む傾向
 がありますか。傾向の違いや多い症状などもあれば併せて教えてください。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 現地スタッフも日本人駐在員もどちらがメンタルヘルス問題の発生が多いかというこ
 とは、社内機密情報になりますので、外部からは分かりようがありません。
 一般的に言えるのは、例えば沢山の日系企業がすでに進出している地域で、日本人も
 それなりに多く住んでいて、スーパーなどの日本のお店やレストラン、そして日本人
 学校などが完備されているところでは、日本人駐在員の異文化でのストレスはそれほ
 ど大きくないので、メンタルヘルスもある程度緩和されるのではないかと思います。
 ですが、いままで日系企業のまったくなかった地域、そして日本人もほとんど住んで
 いない場所での駐在となりますと、駐在員本人とそのご家族が受けるストレスはかな
 りのレベルになることが考えられ、メンタルへの影響も出てくるかもしれません。
 一方、現地スタッフのメンタルヘルス問題の発生については、離職率がある程度の目
 安になるかもしれません。業種にもよりますが、25%以上の離職率であれば、メンタ
 ルヘルスの問題が潜在化している可能性が高いといえます。


◆人事コンサルタント(中国)◆
 現地スタッフと日本人駐在員とでは、総数の上で違いが大きいので一概には言えない
 のですが、2009年以降、駐在員のメンタルヘルス問題は重視されているといえます。
 中国の日本人駐在員はプレッシャーやストレスにさらされることによって、心理的
 に問題を抱えることが多く、一年以内の発症が多いようです。症状は睡眠障害、自律
 神経失調症そして適応障害、うつ病など、最悪の場合自殺にいたってしまうケースも
 あります。

◇編集部◇
 これらのメンタルヘルス問題に対して、現地企業の人事担当者、人事部が取るべきス
 タンス、対応を教えてください。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 日本人の精神科の専門医はアメリカでは大都市でもほとんどおりませんので、メン
 タルヘルスの深刻度の度合いにもよりますが、しばらく様子を見て状況が緩和されな
 いのであれば、日本に帰国する手順となるのではないでしょうか。問題が駐在員では
 なく、現地スタッフの場合には、会社のHR部門はEAP (Employee Assistance Program)
 など第三者機関のサービスを使って、ある程度の対応が取ることができます。

◆人事コンサルタント(中国)◆
 日本国内、中国国内においてしっかりとした研修期間を設けることです。日本本社か
 らの支援体制の構築と、中国からの情報発信の仕組みづくりをし、日本国内における
 情報の偏りなど補正をしていかなければならない、と考えています。また、近所の相
 談できる病院、クリニックは事前に把握しておく必要がありますね。

◇編集部◇
 今回、日本で可決された法案のように、国から定められた制度などはありますか?

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 スタッフへのストレスチェックの実施義務というような法律は、恐らくアメリカでは
 今のところ将来にわたってもありえないと思います。このような法案を通そうとして
 も、個人のプライバシーと人権とを認めているアメリカ合衆国憲法に反する法案だと
 いうことで実現することは無いと思います。


◆人事コンサルタント(中国)◆
 ストレスチェックのような具体的な法規はありませんが、2012年に【メンタルヘルス
 を促進し調和のとれた社会を実現する】という法規が出ています。これは精神衛生法
 から一歩進め、予防、責任などを定義し、社会の中でメンタルヘルスに対する意識、
 水準を高めるための法律となります。

◇編集部◇
 スタッフがメンタルヘルス不全状態に陥らないために、人事コンサルタントとして意
 識していることはありますか。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 駐在員はともかく、駐在員の家族のケアが特に大事だと思います。家族が上手く現地
 の生活に順応できずに苦しんでいないかどうかを日本人上司は十分気にかけてあげて
 ください。そして、我慢して無理にアメリカに居続けるよりも、場合によってはご家
 族だけでも先に帰国の手続きをとってあげることも必要になってきます。


◆人事コンサルタント(中国)◆
 メンタルヘルスケアの観点から勤怠管理を考えてみることです。出勤時間や退勤時間、
 残業のやりすぎ等警告サインに気づくことのできる体制づくりをしていきたいですね。
 また、クリニックなどの情報も少なく限られているため、セミナーなどの機会があれ
 ば必ず参加することが重要だと考えます。

※今回も、HRコンサルタントの酒井謙吉氏にアメリカ側の回答をご協力いただきま
 した、ありがとうございました。
 Ken Sakai  President & CEO  Pacific Dreams, Inc.
 8532 SW Saint Helens Drive, Suite 220 Wilsonville, OR 97070 USA

 http://pacificdreams.org/

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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
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     +1日(9月フォロー研修)各10:00~18:00
◇参加費:60,000円(税別)/1名
◇会 場:株式会社クイック セミナールーム
    〒107-0052 東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館6F
    ※会場は変更する場合がございます)
◇定員:30名
◇詳細:
http://happy.919.jp/documents/2015_9kensyu.pdf

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