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2015.04.30
『世界の人事部(R)』Vol.72【アメリカ・中国における雇用、人事課題トレンドについて】

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            ─ 中国・米国・日本の人事労務レポート ─
                  『世界の人事部(R)』
                                 【Vol.72 2015.4.30】
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  発信元:http://sekai-jinjibu.com/

 こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。

 早いもので、北陸新幹線が開通してから、1ヶ月以上が経ちました。開通してから
一番の目玉はこのGWでしょう。JR西日本によると、今回のGWの「かがやき」、
「はくたか」の予約座席数は16日時点で21万1、000席で、前年の特急「はくたか」、
「北越」と比較すると3.7倍となってるとのこと。数字からでも、開業効果の大きさ
を存分に感じます。新幹線開業をきっかけに進む北陸の地域活性化。今後もさらに
盛り上がっていってほしいですね。

それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。


□■CONTENTS□■ ───────────────────────────────────────


 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第72回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報


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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュースを
見出し形式でご紹介。

より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

<USA>
5月14日(木)、クイックUSA NYオフィスにて、
「ビジネスで使う正しい敬語と話し方」セミナーを開催!http://www.919usa.com/j/topicList.aspx

5月22日(金)、クイックUSA NYオフィスにて、
QUICKスキルアップ支援プログラム(第23回)
5/22「香りのメカニズムを学べるメディカルアロマセラピー入門」ワークショップ開催!
http://www.919usanews.com/2015/04/22/ny_skill-up-workshop/

<日 本>
株式会社アイ・キューが、
5月19日(火)・20日(水)、21日(木)東京・大阪で同時開催!
日本の人事部「HRカンファレンス 2015─春─」
http://hr-conference.jp/

この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒
http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213

アメリカの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

ベトナムの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://919vn.com/

日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php

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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
       【連載:第72回】『世界の人事の現場から』
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【第72回テーマ】
「アメリカ・中国における雇用、人事課題トレンドについて」
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◇編集部◇
 今回のテーマは、アメリカ及び中国における、最近の「採用および人事労務に関す
 るトレンド」についてです。
 3月初めに公表された法人企業統計では、企業業績の好調ぶりが明確になりました。
 15年1月の就業率は前年同月に比べて0.5ポイント上昇し、完全雇用の水準にあると
 いえるでしょう。
 また、16年3月の新卒は完全な売り手市場と言える状況です。
 こうした日本の状況と比べて、2015年度第1四半期が終わってみてのアメリカ、中国
 の雇用環境はどのような状況でしょうか。また、どのような業界、職種に対する求人
 ニーズが高いのかも併せて教えてください。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 雇用情勢に関して、米国雇用統計によると、2015年第1四半期の非農業部門雇用者数
 は67.8万人でした。対前年同四半期は48万ですから、実に20万人ほど延びています。
 しかし、単月でみれば1・2月は堅調でしたが、3月単月では2015年が12.6万人と、
 昨年の19.2万人を割り込んでいます。 この数値が一時的なものなのか、今後下が
 っていくのかは見守る必要があります。失業率は予想と実数の差も無く、3月には
 5.5%と堅調に下がってきています。一方、日系企業の好調、日本からの進出企業が
 増えている事もあり、日本人を含めた外国人の労働ビザ取得の困難さもあわせて人
 材不足は続いています。今後もこの状況は続くと考えられます。

◆人事コンサルタント(中国)◆
 中国の景気は減速、安定といった言葉で表現されるように、GDP上昇率は、2ケタ
 成長の時代から7%台と減少傾向となっています。2013年GDPの内訳は第3次産業
 (主にサービス業)の割合が第2次産業(生産業・建築業・電気・ガス等)の割合を
 超えており、個人の消費活動が盛んになっているといえます。
 雇用情勢についてですが、沿岸都市部の労働力不足が問題となっています。それと
 同時に、最低賃金の上昇率が、地区平均前年比19%の広東省に代表されるように、
 人件費の高騰という問題を企業が抱え、賃金の不払いの問題などが起こっている一
 方で労働集約型の企業では労働力確保のため給与をあげざるを得ないという状況が
 続いています。また中国では、毎年6~7月に数多くの学生が学校を卒業しますが、
 この数が昨年は700万人にも上っています。そのため労働力不足と新規学卒者等の
 若い世代の就職難とが混在している状況となっています。
 一方、都市部の労働集約型の製造業は人材確保が難しくなっています。職種という
 より、課長職以上の役職者の人材確保が急務といえるでしょう。一般企業において
 は日系企業の場合は現地化への移行などを考慮し、中間管理職に能力の高い人材を
 おきたいと考えていますが、能力が高く経験が豊富な人材が不足していると同時に
 給与が高騰しているため、人材の確保が難しいといえます。

◇編集部◇
 最近の人事労務サービス及び相談顧問サービスにおいて、どのような課題、テーマ
 についてのご相談が多いのか、お教えいただけますでしょうか。

◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
 最近のご相談では以下の2つが多いです。
 1.欠勤や遅刻・早退の多い従業員への対応
 アメリカの職場ではプライバシーと個人情報保護の観点から従業員の健康問題に関
 しては、たとえ上司であっても本人に直接問いただすことははばかれているため、
 欠勤が続いて会社の有給シックリーブ(以下、有給疾病休暇)をすぐに使い切って
 しまった従業員への対応に苦慮している日系企業の人事担当者様からのご相談が少
 なからず出ています。
 最近のアメリカの大都市およびリベラルな州(コネティカット、マサチューセッツ
 およびカリフォルニア)では、この有給疾病休暇を法令で企業に義務付ける傾向が
 あります。一方の企業側(特に日系企業)ではこのトレンドに対して、その恩恵に
 便乗する従業員が出てくることを警戒しており、どのようにして有給疾病休暇の適
 正な使用を従業員に守らせるかに頭を悩ませていらっしゃいます。確かに仮病など
 を使って、有給疾病休暇の不正使用をする従業員が残念ながら散見されるものです。
 このような従業員が一人でもいた場合は、人事担当者は従業員と早急に何らかの面
 談を行う必要があります。

2.ノン・エクゼンプト従業員※(アメリカの公正労働基準法によって定められた、
 残業代支払いならびに時間管理が免除された従業員)の出張への対応
 年に数回、通常はオフィス内で内勤をしている営業担当者に客先までの出張に行っ
 てもらうことがあると、その際の残業代を含む勤務時間の計算についての相談を受
 けることがあります。とりわけ、このグローバル時代にあっては、出張先はアメリ
 カ国内ばかりではなく、日本やメキシコ、カナダ、南米、そしてヨーロッパや東南
 アジアというまさに全世界的な規模での出張にでかけることがもはや珍しいことで
 はなくなってきています。
 アメリカ国内でも時差があり、ましてや日付変更線が変わる海外出張のときには、
 いったいどのような勤務時間としたらよいのか、つまりどの時間からどの時間まで
 がノン・エクゼンプトに対しての給与支払いが発生する勤務時間帯として計算する
 ことになるのかは、従業員にとっても企業側にとっても大変複雑で頭の痛い課題に
 なります。
 しかもノン・エクゼンプトの勤務時間を規定している法律は連邦法もさることな
 ら、各州の州法によっても規定が違っているため、州ごとに対応が異なってまいり
 ます。
 この辺のところは、綿密に連邦法と州法とを見比べる必要があり、連邦法と州法の
 両方に精通した労働法の専門家でないとわかり得ないものだと思います。

◆人事コンサルタント(中国)◆
 定年時の雇用継続について質問を受けることがあります。日系企業において定年
 退職者が出始めていること、定年制度の改正がニュースなどで取り上げられること、
 労働契約が労務契約になるなど会社側の対応の仕方が難しい、などの理由があげ
 られるかと思います。
 また、中国の仲裁件数は高止まりしている状態であり、リスクの高い解雇の
 問題や、金銭が絡んでくる有給休暇・経済補償金等の相談・質問が多く寄せられ
 ています。

◇編集部◇
 最近のアメリカ、中国において、人事関連で注目されている話題がありましたら、
 お願いいたします。

◆人事コンサルタント(中国)◆
  定年の問題について人民代表大会からのアナウンスでは2017年度には法制化さ
 れる予定ということもあり、労働力人口の問題も合わせて注意していきたいと考
 えています。

◆人事コンサルタント(アメリカ)
 アメリカの医療保険制度改革法(ACA: Affordable Care Act)、通常“オバマケ
 ア”の改革が年々新しい段階に進んできており、企業と従業員、さらに企業には
 属さない一般の人々にも少なからぬ混乱と経済的負担とが増しています。そのた
 め、当初オバマケアを歓迎していた人々も、自分たちの期待と現実との間に存在
 するギャップの大きさに当惑し、以前よりも健康保険加入に関する環境が必ずし
 も良くなっていないという皮肉な状況が生まれています。
 日系企業で働いている駐在員の方々も、ある意味ではオバマケアによるマイナス
 の影響を直接的に受けており、場合によってはオバマケアの必要条件を満たして
 いないということでのペナルティ(課税)の対象にさえなりうる状況が発生して
 います。
 個人的には、オバマケアの医療保険改革の主旨は誠に理にかなったものだと思う
 のですが、元々大変複雑だったアメリカの医療保険制度が、オバマケアによって
 さらにその複雑さを増してしまったと感じています。
 当初はオバマケアによって保険会社に多くの成約を加えられ、健康保険加入者に
 とっては確かにその恩恵があったのですが、保険会社としても多くは利益追求法
 人(Profit Organization)ですので、企業や個人の保険加入者にその分の利益
 補填のためのそれ相応の保険料値上げを毎年繰り返しています。結果として、毎
 年の保険料の値上げは企業にとっても個人にとってももはや黙って見過ごすこと
 のできる領域ではなくなってきてしまっているのです。
 さらにこのオバマケアがどのように推移していき、どのような深刻な影響が企業
 や個人に出てくるのか、まだまだ予断を許さない状況が今後とも当面続くと言え
 るでしょう。

 ※今回も、HRコンサルタントの酒井謙吉氏にアメリカ側の回答をご協力いただきま
  した、ありがとうございました。
  Ken Sakai  President & CEO  Pacific Dreams, Inc.
  8532 SW Saint Helens Drive, Suite 220 Wilsonville, OR 97070 USA
  http://pacificdreams.org/

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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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◇参加費:無料
◇対 象:経営者の方及び人事ご責任者様
◇会 場:株式会社クイック セミナールーム
    〒107-0052 東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館6F
    ※会場は変更する場合がございます)
◇定 員:10社20名様
◇詳 細:http://happy.919.jp/documents/150511team.pdf
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