- 2009.09.30
- 『世界の人事部』Vol.5
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.5 2009.9.30】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
先月のこの場でも取り上げました「新型インフルエンザ」ですが、
厚生労働省の発表を見る限り、集団感染の発生件数等も増加しています。
こうした中、10月を皮切りに2011年4月入社の新卒採用活動をスタート
させる企業の人事部においては、説明会やセミナー等の開催についても、
感染防止に向けた配慮等、例年以上の緊張感が必要になってくるのでは
ないかと思います。
しかし、事前に対策を練り、無事に採用活動を終えることができれば、
その経験は人事部にとって一つの財産になるのではないでしょうか。
□■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第5回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
ニュースを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国>新聞晨報によると、2009年の上海外資企業平均昇給率は7.4%
◇<日本>株式会社アイ・キューが、
第2回「HRカンファレンス by 日本の人事部」を
10/27(火)に開催
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
こちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第5回】『世界の人事の現場から』
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人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
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【第5回テーマ】
「新型インフルエンザへの対応を考える」
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◇編集部◇
今回の新型インフルエンザについて考えていきたいと思います。
厚生労働省によると、9/29時点のWHO(世界保健機関)フェーズは6
(ヒトの感染が広範囲に広がる)、日本でも臨時休業を要請した施設
が増加しており、今後も国内外を問わず感染拡大が懸念されています。
こうした中、国内では各社が独自に対策を行っていますが、アメリカ
や中国における現地のスタンスや対応はどのようなものですか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
新型インフルエンザに関して国や州、在米大使館などから企業に
対する指示は今のところありません。また、アメリカではマスクを
する習慣がないため街中の様子も普段と変わらず、新型インフルエン
ザに対する意識も、まだメディアの中の出来事といった印象がありま
す。企業としても感染者が出て初めて対応するケースが多いのではと
感じています。
◇編集部◇
では今回、または春の段階で実際に新型インフルエンザの感染者が
出た企業では、どのような対応が取られているのですか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
感染者を休ませることは当然のこととして、37度以上の発熱や咳が
止まらないなどの症状が出た社員には健康診断を義務付けたり、
体調が優れないなど判断に迷うケースには在宅勤務を促す企業も
ありました。とはいえ業務の性質上、在宅勤務が難しい場合もありま
すから、そうした社員向けに特別休暇のポリシーを作成したり、
会社側が「出社してはならない」と命じる有給休暇を新たに作った
企業もあるようです。
また、今回のインフルエンザは妊婦や基礎疾患のある方が重症化
しやすいという情報もあり、感染者が出た部門内に勤務する妊婦には
自宅勤務を命じたというケースもありました。
一方、職場対応としては消毒・殺菌用のハンドスプレーやマスクの
設置、メールによる新型インフルエンザの情報共有を進める企業も
あります。さらに万が一、オフィスが入っているビルが閉鎖された
場合に備えて、業務の進め方を検討した企業もあったようです。
◇編集部◇
感染者に対して休業を促すに当たって、日本では会社都合の休業の
場合、平均賃金の60%を補償しなければなりません。これについて、
アメリカではどのような対応が多いですか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
会社側から休業を促した場合、賃金の100%を補償する企業が大部分だ
と思います。理由として考えられるのは、新型インフルエンザに感染
した社員がSick Dayを使い果たしたくないと完治前に出勤し、
社内で二次感染者が出た場合、その社員から会社が訴えられる可能性
があるからです。もちろん、二次感染者の原因が社内にあるかを立証
することは難しいですから、仮に裁判になったとしても結果は分かり
ません。
ただ、会社として人事の担当者として第一に考えるべきは、
「会社は社員の健康を守る義務がある」ということだと思います。
人事部を中心として、入念な予防対策や迅速な事後対応を進める
ことは、社員の健康を守ることだけでなく、結果的に感染拡大に伴う
事業停止のリスク低減に繋がっていることを十分に理解すべきだと
思います。
◇編集部◇
一方、中国では社員が新型インフルエンザに感染した場合の対応など
について国から企業に対する指示・指導はありますか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国では、医療機関によって明確に「感染の疑いがあり」と診断され、
医学観察期間の隔離措置がなされた場合は、「出勤扱いの休業として
給与支給」が原則となるよう規定されています。
これは2003年のSARS発生時に規定された内容で、当時は「疑わしきは
出社させない。この措置に対する社員の理解を得るため観察期間中は
出勤扱い」という方法が採られました。
今回も同様の措置となるようです。
また、官公庁や日系大手企業では社員の家族に感染者が出た場合
なども、自主的に自宅待機措置を取っているケースもあるようです。
こうした場合は、基本的に休業している社員を出勤扱いとしている
ようです。
ただ、ここまでの対応は体力のある企業に限定されており、中小企業
や地場企業で同様の対応を取っている企業はまれだと思います。
◇編集部◇
感染者に対する休業補償はどのようになっているのですか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
原則として、医学観察期間中は「100%休業補償の発生する休業」と
なります。ただ、医学観察期間後に「新型インフルエンザ感染」と
診断され休業する場合は、中国独自の「病気休暇」として扱われます。
この「病気休暇」とは、業務以外での疾病による欠勤の場合に社員が
取得できる休暇で、勤続年数に応じて一定比率の給与支給が可能に
なる休暇のことです。
◇編集部◇
今回の新型インフルエンザ問題を含め、今後の感染症対策の実務で、
人事部が留意しておくべきこととは一体どのようなことでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
繰り返しになりますが、やはり「社員の安全」を最優先に考えた措置
が取れるよう危機管理体制を整備しておくことが大切だと思います。
今回であればマスクや消毒・殺菌スプレーをはじめとした物資面の確保、
万が一、「出社できない」、「外出できない」状況に陥っても事業が
運営できる設備やインフラの確保、業務プロセスの改善、予防策や
緊急時の対応に関する情報の周知徹底など、事前に行えることは
数多くあります。
◆人事コンサルタント(中国)◆
それらに加えてSARSでの反省を活かすならば、中国においても、出社
できなくても最低限の業務が行える体制づくりが重要だと思います。
例えば、ホワイトカラー層だけでも在宅業務が可能な体制をどうすれ
ば構築できるかなど、出社できないことで「会社としての機能」が
停止してしまうという最悪の事態に備えるという視点で考えれば準備
すべきことも数多くあるのではないでしょうか。
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