- 2010.07.30
- 『世界の人事部』Vol.15
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.15 2010.7.30】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
この6月30日、少子化の流れを変え、男女ともに子育てや介護をしながら
働き続けることができる社会を目指して改正育児・介護休業法が施行され
ました。また先日、日本銀行で初の女性支店長が誕生するという報道もあ
りました。今後労働力人口が減少していくと考えられている日本において、
少子化対策や女性の活躍を後押しする仕組みや実績づくりは、国や企業を
問わず避けては通れない問題だと思います。また、これらの分野は日本よ
りも海外の取り組みの方が進んでいるケースも多いのではと思います。
既に海外拠点をお持ちの企業の人事ご担当者は、この機会に、ぜひ現地の
情報をヒアリングし、自社で活かせる部分を調べてみてはいかがでしょう。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第15回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
ニュースを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国>南方日報によると、広東省において2ヶ月で従業員の
昇給要求によるストライキが36件発生
◇<中国>黒龍江新聞網によると、日射病が国家法定職業病の項目に
◇<日本>『日本の人事部』が主催する第4回「HRカンファレンス」、
8月31日(火)に開催決定
HRカンファレンス専用サイト
http://jinjibu.jp/hrc04/
◇<日本>株式会社アイ・キューが、人事担当者のための交流会
“『日本の人事部』HRクラブ”をスタート
『日本の人事部』HRクラブ専用サイト
http://jinjibu.jp/hr-club/
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第15回】『世界の人事の現場から』
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人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
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【第15回テーマ】
「現地人事コンサルタントが選ぶ
2010年上半期 現地ニュース BEST3&下半期展望」
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◇編集部◇
気が付けば、2010年も既に折り返しから1ヶ月が過ぎました。
日本では一昨年秋からの世界的不況の影響からようやく抜け出しはじめ
た所ですが、その間に海外はどのように動いていたでしょうか。
そこで今回は人事的な側面にこだわらず、この上半期で特に気になった
ニュースと下半期の展望についておうかがいしていきたいと思います。
まずは、2010年の上半期を振り返ってみて、印象に残ったニュースには
どのようなものがありましたか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
まずは、皆さんもご存知の「2010年4月3日のiPad発売」。
最近ではニューヨークの地下鉄でもユーザーの姿をよく見るようになり
ました。
商品のラインナップもBarns&NoblesのNOOKが$149、Amazon Kindle DX
が$379、Sony Readerが$149~、そして件のiPadが$499~と、
各メーカーからのリリースもひと段落したようです。
こうしたハードの普及に伴ってカリフォルニア州では学校の教科書が
e-Book化されるなど、電子書籍化の波は一般ユーザーだけでなく公共機
関にも広がってきています。
このiPadの出現によって電子書籍市場の競争が今後ますます活発になり
そうで、暗いニュースが多かった上半期のアメリカにおいて久々に明る
いニュースでした。
また、アメリカメキシコ湾で起こったBP海底油田事故も大きなニュース
でしたね。
特に、今アメリカはOPEC(石油輸出国機構)脱依存の姿勢を掲げている
だけに、政府としても大きな打撃を受けたことと思います。今回の事故
をきっかけに、海底油田掘削の安全基準や検査は厳格化されるでしょう
から、企業が負担するコストの上昇も予想されます。これに伴い、開発
計画の見直しや中止が相次げば、結果的にOPECの影響力は増加していく
でしょうし、何より原油価格の上昇によって再びアメリカ経済が鈍化し
てしまう可能性が多分にあることが不安です。
最後に、人事的な視点から、3月23日のオバマ大統領による「医療保険
制度改革法案の成立」を挙げます。
◇編集部◇
「世界の人事部VOL.10」でも触れましたたように、アメリカでは健康保
険なしに盲腸や出産の手術や入院となれば、それだけで何百万円もかか
るなど、健康保険の有無が労働者にとって生活する上で、さらに企業選
択の際に重要な項目であるというお話でしたね。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
1961年以来、国民皆保険が当たり前になっている日本人にとっては、
確かに驚きの事実ですが、現在アメリカの医療保険未加入者の数は
4,600万人以上にも上ると言われています。これらの無保険者を今後
10年間で皆保険化するということですが、これがなかなかスムーズに進
みません。
最も大きな理由として考えられるのは、今回の法案には「医療コストの
削減」が明記されていない点です。つまり、医療費は高いままで、これ
まで無保険状態だったリスクの高い人たちが保険に加入するため保険料
の値上がりが予想されています。となると、企業側としても高額な保険
料の一部を負担せざるを得ないため、これ以上負担が増えるのは困ると
いう声があるからです。
現段階では2010年から2018年までの新法案の決定事項とスケジュールは
発表されています。ただ、前述の企業の声に加えて、2012年の大統領選
挙の結果次第では法案自体が大きく変わる可能性もあり、成立した法案
の中身を国民がそのまま享受できるかは、まだまだ不透明だと思います。
◇編集部◇
一方、中国では、この上半期を振り返って、どのようなニュースが特に
印象に残りましたか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
最初に挙げられるのは、世界経済における中国の一人勝ち現象ですね。
金融危機のピンチにもかかわらず、2009年も目標経済成長率を達成し、
世界から「中国の一人勝ち」と言われましたが、その勢いは今年も止ま
る気配はなさそうです。こうした中国の活況を受け、日本企業の中国進
出話が続々と寄せられるようにはなってきました。ただ、日本企業の、
中国進出に対する体制や意識が、2001年からの第3次投資ブームの頃か
らあまり変化していない気がします。この10年間で中国は全く別と言え
る国になったと実感しています。それだけに、進出してくる日本企業は
中国の現状に対する理解度をもっと上げる必要があるのではと感じてい
ます。
また、日本でも大きく報道されていたと思いますが、中国国内でのスト
ライキ続発も、上半期の印象的な出来事でした。仕事柄、この半年間で
2度ほど現場の労働者とお話しする機会があったのですが、彼らの
「生の声」は、日本で注目されがちな「権利意識の向上」といったもの
では決してありませんでした。むしろ、彼らの立場からすればもっとも
な意見であり、外国人の私でさえ「同じ立場だったら、彼らと同じよう
に感じるはず」と思うことばかりで、本当に貴重な経験でした。
裏を返せば、いかに「現地」の情報が「海の向こう」に正確に伝わって
いない、或いは伝えることが難しいかということも実感しました。それ
だけに、「現地」「現場」を知っている人事コンサルタントとしての自
分たちの強みも改めて実感できたように思います。
最後に、2010年上半期と言えば上海万博開幕は外せないニュースです。
振り返れば、私が初めて中国を訪れた日が、2010年の万博開催地が上海
に決定した日でしたので、不思議な縁を感じます。
当初から「史上最大の万博!」等と言われていましたが、開催1年前か
らの都市開発のスピード、わずか数ヶ月の間に街並みや風景が一変して
いく様子は圧巻の一言でした。ほんの5年前まではわずか3本しか走って
いなかった地下鉄が、今や総延長距離で世界最大に迫る等、「変化のス
ピード」を体感できたのも、万博開催があったからこそだと思います。
◇編集部◇
確かに上海万博は中国にとっては話題性だけでなく、経済効果としても
大きな影響がありそうですね。では、最後に両国の下半期の展望につい
てご意見をいただけますでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国、中でも上海は万博の影響もあり、下半期もこの勢いで発展を続け
ていくと思います。さらに人材とお金が集中し、世界有数の市場となる
日ももうすぐと思わせるだけの勢いが、今の中国からは感じられます。
しかし、その一方で急激な労働者への所得拡大を政府が本格的に後押し
してくることも容易に想像できます。そのため、特に上海等の中国沿岸
部へ進出している外資系企業にとっては、従来の収益モデルでは生き残
れないという厳しい課題に直面する日が、近い将来やってくると思いま
す。こうした変化をピンチとするか、逆にチャンスとして活かすのか。
考え方や取り組み次第で、企業の今後は大きく変わってくると思います。
ただ、この下半期については、個人的には楽観的観測よりも、各企業と
も厳しい現実に直面するのではという思いの方が、正直なところ強いで
すね。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
アメリカにおいては円高ドル安が続くなど、日系企業にとっては不安定
な要素があるものの、経済全体の景気も徐々に回復を実感できる状況に
なってきました。依然として失業率は高いものの、日系人材会社に求人
数も増加傾向にあることからも、下半期は明るいニュースが増えてくる
のではないかと思います。
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