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2011.05.31
『世界の人事部』Vol.25【中国・米国における中途採用事情について】
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       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部』
                        【Vol.25 2011.5.31】
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  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部』編集部です。

 文部科学省と厚生労働省の調査によると、2011年3月に大学を卒業した学
 生の4月1日現在の就職率は前年同期比0.7%減の91.1%となり、過去最悪
 の水準だったとのこと。さらに、大手就職情報会社の調査結果によると、
 2012年3月卒業予定の大学生・大学院生の4月現在の内定率は、その2011
 年を前年同期比で約10%下回る等、依然として就職戦線は厳しい状況が
 続いていることから、競争率が高い大手企業を避けて、中堅・中小企業
 に目を向ける学生も増えてきているようです。

 確かに、学生たちにとっては厳しい状況ではありますが、視点を変えれ
 ば、このタイミングは中堅・中小企業にとって、今まで以上に多くの、
 優秀な学生に出会えるチャンスです。企業が優秀な学生を採用し、学生
 が内定を得ることができれば、それはWIN-WINの関係にもなるはず。現在、
 今年度の採用活動を行うかどうかを検討中の企業にとっては、こうした
 考え方も採用に踏み切るための一つの材料になるのではないでしょうか。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
 
 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第25回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

 【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!

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 【1】 今月の人事労務ニュース
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 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
 ニュースを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 <中国>   新華社によると、2011年上海で卒業予定の大学生は
        前年同期比4%増の17.5万人。就職率も安定上昇傾向に。

 <中国>   中国新聞網によると、国務院弁公庁の通知により
        6月4日(土)~6月6日(月・端午節)迄の3日間が公休に

 <アメリカ> クイックUSAが、6月1日(水)、ニューヨークオフィスにて
        就職・転職に関する無料「ご登録・相談会」を開催!
        詳しくはこちらまで⇒
        http://www.919usa.com/j/topicList.aspx

 <日本>   上海クイックマイツ有限公司が、東京・名古屋・大阪にて
        「中国給与セミナー2011」を開催!
        詳しくはこちらまで⇒
        http://happy.919.jp/documents/chinaseminar.pdf

 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/

 アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php

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 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第25回】『世界の人事の現場から』
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 人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
 一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
 さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
 その苦労は国内の比ではないと思われます。

 そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
 人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
 現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
 
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 【第25回テーマ】
  「中国・米国における中途採用事情について」
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 ◇編集部◇
  近年、日本国内の採用マーケットにおいては、大手企業を中心としてグ
  ローバル化に向けた動きが注目されることがありました。しかし、東日
  本大震災の影響もあり、今後は生産拠点の確保や事業拡大に向け、規模
  の大小に関わらず、企業の海外展開が増加するのではという話をよく耳
  にします。こうした企業の海外展開を進める上で重要なポイントとなる
  のは、やはり現地スタッフの採用や活用になるのではないでしょうか。

  そこで、今回は現在の中国・アメリカ両国における人材採用の中でも、
  特に中途採用事情について色々な角度から質問をぶつけていきたいと思
  います。まず最初に、現在の両国の中途採用市場は、企業側にとって良
  い人材を獲得しやすい状況なのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  企業によって良い人材の定義は様々ですが、今の中国において優秀な人
  材の獲得は、決して簡単なことではないと思います。もちろん、外国語
  と専門スキルのように複数分野で高いスキルを持った人材の獲得は世界
  中どこでも難しいでしょうが、ここ中国で、日系企業にとって特に採用
  が難しいとされるのが、若手人材の育成や指導に長けた、優秀なマネー
  ジャーや管理職といった人材です。

  こうした層の採用が難しい理由としては、中国が長期雇用を前提とした
  法律になっていない点にあると思います。実際、中国の法律はつい2007
  年まで短期雇用が中心の法律でした。企業としては人材を長期雇用する
  義務がないため、必要な際に即戦力を採用すれば会社は成長します。
  敢えて若い人材を採用して、育てる必要がなかった時代が長く続いたこ
  とで、結果的に、若手を育成できる人材が市場に少ないという今の状況
  が生まれてしまいました。

  これに対して、日本は終身雇用制という制度に代表されるように長期雇
  用が前提の社会。そのため、辞めない前提で入社してくる若手や未経験
  の人材の育成やマネジメントに長けたマネージャーや管理職が生まれや
  すい環境と言えます。この日中の文化の違いが、中国国内でのマネージ
  ャー層の採用の難しさに拍車をかけているんだと思います。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  アメリカについては、2008年9月のリーマン・ショック以降、長らく落ち
  込んでいた景気がようやく回復してきており、これに伴って中途採用市
  場も徐々に活性化してきています。こうした景気の変動時という背景も
  あって、企業としては優秀な人材を獲得しやすい状況にあると思います。

 ◇編集部◇
  実際に両国において中途採用を行う場合、どのような方法で採用活動を
  進めていくケースが多いですか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  日本と同様に、中国でもインターネットの求人サイトや人材紹介会社を
  利用した有料職業紹介による採用方法があります。しかし、統計による
  と、中国でこうした専門業者を活用して就職する人材は、全体のわずか
  1割にしか過ぎません。大部分は親や親戚、知人の「コネ」を通じた就
  職であるケースが多く、採用する企業側としても、そうした状況を踏ま
  えた採用スタンスを採っています。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  アメリカでは、求める人材のレベルによって採用の手法が変わります。
  例えば、優秀な人材であれば人材紹介会社やヘッドハンティングを活用
  するケースが多いですし、通常の中途採用であればインターネットを活
  用して採用活動を進めるケースが多いようです。

  とはいえ、それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、例えば、イ
  ンターネットを活用した採用の場合、経費が比較的低く抑えられる上に
  幅広い応募が見込めますが、それをひとつずつ精査するために多くの時
  間と労力がかかります。一方、ヘッドハンティングや人材紹介会社を利
  用して採用を行う場合、確かにコストはかかりますが、自社の求める人
  材と出会うまでの労力は格段に少なく、さらに不採用通知時の訴訟リス
  クも低く、採用した人材の解雇や退社に関する保証も整備されています。
  コストに見合ったメリット、デメリットが生じるというのは、どの地域
  でも同じだと思います。

 ◇編集部◇
  では、これらのサービスを活用するために現地でパートナーとなる業者
  を探す際に、何か注目すべきポイントはありますか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  「求める人材の要件定義ができる会社」であり、かつ「労働市場の相場
  感を把握している会社」かどうか、この2点が重要なチェックポイントに
  なると思います。

  前述の、マネージャー層の採用が難しいという事例のように、中国では
  日本の当たり前が通用しないことが多々あります。そうした前提条件が
  異なることを理解した上で、「どんな人材なら相手が抱える人事課題を
  解決できるのか」を提案してくれる会社ならば、有効に活用いただける
  と思います。さらに、そこで提案された人材は、今どこで何をしていて、
  どの程度の給与をもらっている方なのかという突っ込んだところまで把
  握、提案してくれる会社ならば嬉しいですね。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  こちらでは、コンプライアンスがしっかりしているかどうかという点が
  パートナー企業を選ぶ際の重要なポイントになります。その会社が上場
  しているかどうかは、こうした点の判断材料の一つになりますね。

  また、先方の担当者の質の見極めも大切なポイントになるかと思います。
  例えば、人事労務の知識があるか、彼らにとっての顧客である自分たち
  の業界に関する知識があるか、担当者が頻繁に変わらないか等のチェッ
  クポイントがあるかと思います。

 ◇編集部◇
  アメリカのパートナー企業の選択に関するチェックポイントは日本にも
  通じる部分がありますね。一方、中国の場合は、日本と中国とではマー
  ケットの特性や前提条件が違うことについて、双方の考え方や認識をす
  り合わせる機会を設けることで、求める人材の採用に近づくことができ
  そうですね。

  また、書類選考や面接等の採用プロセスにおいて、中国やアメリカなら
  ではの注意点や配慮すべき点はありますか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  採用に関して最も重要なポイントは、「目の前の求職者は何ができる人
  材で、それは自分たちが求める人材像と合致しているのか」という採用
  に関する優先順位、本質を見失わないことだと思います。

  「提出書類は偽造である可能性がある」といった、よく耳にするような
  採用に関する物珍しい話や噂にフォーカスし過ぎてしまい、本来の目的
  を見失っては元も子もありません。先程もお話しましたように、その採
  用によって「どのような問題を解決したいのか」。そのために必要な人
  材は「どの程度マーケットに存在しているのか、そしてどの程度の給与
  相場なのか」。そして、目の前の人材は「何ができて、それらの要件に
  当てはまる方なのか」ということを、面接等を通じて見極めることが重
  要だと思います。中国ならではという違いを意識しすぎるよりも、採用
  の目的や本質にフォーカスした方が、結果的により良い人材の獲得にも
  通じると思います。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  これまでの職務経験や転職回数、勤続年数、学歴を確認するとともに、
  「Behavior Based Interview」といった、業務について状況に見合った
  具体的な回答を求める質問を通して、その人の業務に対する精通度やレ
  ベルを判断するという点については、日本とほぼ同じだと思います。

  一方、アメリカならではという点で考えると、採用プロセスのどの段階
  においても差別的な発言や対応、偏見のある質問には注意しなければな
  らないことが挙げられます。場合によっては訴訟になるケースもありま
  すし、訴訟にならなかったとしても、こうした対応を理由に採用の申し
  出を拒否されるケースもあります。こちらが気を付けているつもりでも、
  当事者が差別的に受け取ることもあるだけに注意が必要ですね。

  また、日本では個人情報保護法の絡みもあって難しいかと思いますが、
  求職者のバックグランドチェックや前職の上司等の信頼できるリファレ
  ンス確保の必要性があるというのも、アメリカならではの慣習かもしれ
  ません。

  このように、アメリカでは採用活動を進めていく上で法的リスクを切り
  離して考えることはできません。それだけにアメリカの労働法や慣習に
  詳しくない方が面接や内定に関する手続き等を進めるのはリスクが高い
  と思います。もし、日本からの駐在員だけで、初めて現地スタッフの採
  用を行うおうとするのであれば、訴訟リスクを少しでも減らすためにも
  人材会社等のプロの手を借りることをおすすめしますね。

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 【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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 日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
 クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
 興味、関心の高いセミナーがございましたら、今すぐお申込を!

 ■6月1日(水) 13:30-17:30

 経営シミュレーション【The Company】体験会

 ◇会場  株式会社クイック 興和ビルセミナールーム
      (東京都港区赤坂1-9-20 第16興和ビル北館8階)
 ◇参加料 無料
 ◇対象  経営者、マネジメント職の方、人材育成ご担当者
 ◇定員  10社20名

 詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/thecompany0601.pdf


 ■6月14日(火)・7月5日(火) 10:00~12:00

 企業様のお悩みとして多い、“育成”と“定着率UP”がテーマです!
 『社員が育ち、定着する仕組みづくり』

 ◇会場  株式会社クイック セミナールーム
      (大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
 ◇参加料 無料
 ◇対象  中堅中小企業経営者・人事ご担当者
 ◇定員  20名

 詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/20110614seminar.pdf


 ■【東京会場】  6月15日(水) 14:30~17:00
  【名古屋会場】 6月16日(木) 14:30~17:00
  【大阪会場】  6月17日(金) 14:30~17:00

  中国給与事情の「ウラ・オモテ」「理想と現実」を解き明かす!!
  中国給与セミナー 2011

 ◇会場  【東京会場】
      キャピタル赤坂
      (東京都港区赤坂1-7-19 キャピタル赤坂7階)
      【名古屋会場】
      株式会社クイック 名古屋オフィス
      (愛知県名古屋市中区栄2-1-1 日土地名古屋ビル5階)
      【大阪会場】
      株式会社クイック 大阪本社
      (大阪府大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
 ◇参加料 無料
 ◇対象  中国ビジネスに関心のある経営者、人事ご担当者
 ◇定員  100名(東京会場)・30名(名古屋会場・大阪会場)

 詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/chinaseminar.pdf


 ■6月21日(火) 15:00~17:30

 CUBICを使った「ビジネスモデルに合わせた人材モデル作成」

 ◇会場  株式会社クイック 興和ビルセミナールーム
      (東京都港区赤坂1-9-20 第16興和ビル北館8階)
 ◇参加料 無料
 ◇対象  経営者・人材採用ご担当者
 ◇定員  20名

 詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/CUBIC0621.pdf


 ■6月22日(水) 15:00~17:30

 CUBICを活用すれば『もっとメンバーマネジメントが上手くいく』

 ◇会場  株式会社クイック 興和ビルセミナールーム
      (東京都港区赤坂1-9-20 第16興和ビル北館8階)
 ◇参加料 無料
 ◇対象  CUBICをご利用中の経営者・人材採用ご担当者
 ◇定員  20名

 詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/CUBIC0622.pdf

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 【4】編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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 これから本格化する新卒採用活動、社会的関心の高いメンタルヘルス問題
 などに頭を悩ませている人事ご担当者は、ぜひ一度お問い合わせを!

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 会社説明会に参加した学生の志望意欲の高さや本音を浮き彫りに。
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 人事労務担当者としては、今や看過できない問題にまで発展しつつある
 社員のメンタルヘルス問題。
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 可視化することで、心の病の早期発見と適切な予防に繋げます。

 詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/jingoto/mcu/

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