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2013.11.29
『世界の人事部(R)』Vol.55【現地企業におけるハラスメント対策の現状は?─中国編─】

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       ─ 中国・米国・日本人事労務レポート ─
             『世界人事(R)』
                      【Vol.55 2013.11.29】
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  発信元:http://sekai-jinjibu.com/

 こんにちは。『世界人事(R)』編集です。

 先月、公となった有名ホテルに端を発した食材偽装表示問題が、
 今や全国各地有名百貨店やレストランにも拡大しています。

 こ問題に対する大半会社に共通しているが、問題原因を
 「認識甘さ」による「誤表示」としている点です。これについては、
 意図的な「偽装」を認めてしまうと、景品表示法や不当競争防止法に
 抵触する可能性があるため、各社とも「誤表示」というスタンスを
 取っていると見解もあるようです。

 ただ、利用者側として最も知りたいは、今回問題が「法令に抵触するか
 否か」ではなく、「なぜ行われ続けてきたか」ではないかと思います。
 こ点から目を背けたまま、対処療法を繰り返すことで「違法ではない」
 とされたとしても、根本的な問題解決には至らないでしょう。

 今回一連騒動について、業種・業界特殊性を挙げる方もいますが、
 これを対岸火事としてしまわず、他山石として社内チェック体制等を
 見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■--------------------------

 【1】 今月人事労務ニュース

 【2】 現地ことは現地に聞け!人事労務問題解決ポイントを紹介。
     【連載:第55回】『世界人事現場から』

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 【1】 今月人事労務ニュース
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 【2】現地ことは現地に聞け!人事労務問題解決ポイントを紹介。
       【連載:第55回】『世界人事現場から』
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 【第55回テーマ】
 「現地企業におけるハラスメント対策現状は?─中国編─」
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 ◇編集
  今回テーマも、前回に引き続き「ハラスメントへ対応」についてです。

  前回アメリカ編でご紹介したとおり、アメリカでは「At Will」という
  雇用に対するスタンスや訴訟リスク等理由から、セクハラやパワハラ等
  ハラスメントは比較的起きにくい環境にあるとことでした。

  これに対して、お隣中国では、ハラスメント問題はど程度発生し、
  また問題視されているでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国ではパワハラやモラハラ(精神的な嫌がらせ)を、
  特に上司が下に対して行うという問題が、近年目立つようになってきました。

  要因としては、労働契約法存在が挙げられるでしょう。
  こ労働契約法は2008年に制定された法律ですが、内容的には企業による
  スタッフ継続雇用を推進し、解雇を厳しく制限したもになっています。

  そため、企業側が解雇したいスタッフを自主的に退職させる際に、
  パワハラやモラハラを行うといったケースが増えてきているように感じます。
  とはいえ、中国でも日本ように、パワハラやモラハラが社会問題化する程
  注目されているかと聞かれれば、まだそレベルには達してはいないでしょう。

 ◇編集
  ただ、法律により継続雇用考え方が求められている現状を考えると、
  近い将来、日本ようにハラスメントが社会問題化する可能性もありますね。
  そ意味では、既に社会問題化している日本対応から、
  問題解決ヒントを見つけ出してもらうこともできるかもしれません。

  ところで、こうしたパワハラやモラハラについて、訴訟問題にまで発展
  した例等はありますか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  先程もお話ししました通り、中国では、パワハラやモラハラがそれ程
  問題視されていないこともあり、大きな訴訟となるような事件は
  個人的には聞いたことがありません。裏を返せば、泣き寝入りしている
  方々が数多くいるという可能性も考えられます。

  とはいえ、中国においても特定民族や人種、性別、宗教による差別は
  禁止されているで、これらをフィルターとして、特定グループや
  スタッフにハラスメントが行われていると、差別問題として訴訟に
  発展する可能性は十分あると思います。

 ◇編集
  一方、セクハラに関する現状はいかがでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  こちらについては、近年ようやく問題視されるようになり、
  それに伴いセクハラに関する訴訟も目にするようになってきました

  実際に最近でも、インターン女性に性的関係を迫ったスタッフに対して、
  企業側が倫理規程に基づいて懲戒解雇という処分を下したことに関する
  裁判がありましたが、裁判所は企業側対応を「合法」と認めています。

  セクハラを放置した企業側責任を問うような訴訟については、
  まだ聞いたことはありません。ただ、昨今セクハラに対する社会全体
  問題意識高まりを考えると、近い将来、セクハラを行った本人だけでなく、
  それを放置した或いは防止策を準備していない企業責任まで問われる
  ような訴訟が発生する可能性も多分にあるではないかと感じています。

  こうした一連流れを受けて一企業では、倫理規程あるいはそれに
  準じる規則を作成することで、社内でセクハラ等を含めた不適切な行動を
  明確に禁止しようとする動きが出始めています。

 ◇編集
  飲酒強要や主席で迷惑行為等アルハラについてはいかがでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  極端な言い方をするであれば、そもそも問題視されていません。

  というも、中国ではお酒はビジネス、プライベートに関わらず、
  人間関係を構築するため重要なコミュニケーションツールです。

  ですから、ビジネスシーンにおいても、上司や取引先方から飲酒を
  強要されることも日常茶飯事です。もちろん、明らかな迷惑行為は別ですが、
  飲酒強要については、むしろ中国文化一側面と認識する位でちょうど
  良いかと思います。ポジティブに考えるなら、上司や取引先、同僚とも
  気兼ねなくお酒を楽しめるということになりますね。

 ◇編集
  では最後に、様々なハラスメント問題による訴訟リスクを低減させるために、
  現地企業が取り組むべきことには、どようなもがありますか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  既に一企業では進められていますが、社内規程や制度中に、
  ハラスメントを禁止、規制する文言を明記することが挙げられます。

  また、現段階ではあまり耳にしたことはありませんが、社内にハラスメント
  委員会を立ち上げて情報収集や取り締まりを行ったり、ハラスメントに関する
  セミナーを受講させるというも予防策一つだと思います。

  確かに、現在はまだハラスメントに関する社会意識はそれほど高くはありません。
  しかし、経済発展が進むにつれ、それを支える労働者保護必要性も高まってきます。
  そ際には、こうしたハラスメントに対する規制等も、今以上に強化される
  ことが予想されますで、時に慌てて対応に奔走しなくて済むよう、
  今から少しずつでも、こうした予防策を実行していくことが大切ではないでしょうか。
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