- 2013.12.27
- 『世界の人事部(R)』Vol.56【現地人事コンサルタントが選ぶ 2013年現地ニュースTOP3 & 2014年展望】
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─ 中国・米国・日本の人事労務レポート ─
『世界の人事部(R)』
【Vol.56 2013.12.27】
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発信元:http://sekai-jinjibu.com/
こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。
今年1年を振り返ってみますと、アベノミクス効果による景気回復が進む等、
明るい話題も多かった一方で、消費税率8%への引き上げや特定秘密保護法成立、
TTP交渉への参加表明等ネガティブインパクトの強いニュースも多かったですね。
これらを見ると、個人的には政府の実行力が色濃く表れた1年だったと感じます。
来年以降、今年の取り組みの成果が徐々に表れてくる中で、2013年は良い
意味でのターニングポイントだったと言える1年であってほしいものです。
また、富士山の世界文化遺産登録、猪瀬都知事の辞任で最後にケチが付いた
ものの、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定は、
多くの方々が喜び、また日本人としての誇りを感じることのできるニュース
だったのではないでしょうか。
さて、2013年のメルマガ「世界の人事部(R)」は、今号が最終号です。
今年も一年間ご愛読いただき、本当にありがとうございました。
2014年も皆さまのお役にたてる情報を発信できるよう努力してまいります。
引き続き、ご愛読の程よろしくお願いいたします。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■--------------------------
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第56回】『世界の人事の現場から』
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
ニュースを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
<中国> 国務院弁公庁が2014年の休日カレンダーを発表
2014年の元旦は1日のみの休日になったほか、
今年から除夕(大晦日)が休日ではなくなり
初一(旧暦1月1日)が春節のスタートに
<中国> 上海クイックマイツ有限公司が、
中国全土の日系企業勤務の中国人8,000人以上の
給与明細データをまとめた「給与調査報告2014」を発行
<USA> 2014年1月23日、クイックUSAにて、
「2014年最新雇用法レビューとアップデート」
「優秀な従業員を惹きつけ維持するための処遇と動機付け」
上記2テーマに関する企業向けHRセミナーの開催が決定
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒
http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213
アメリカの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
ベトナムの最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://919vn.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第56回】『世界の人事の現場から』
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【第56回テーマ】
「現地人事コンサルタントが選ぶ 2013年現地ニュースTOP3 & 2014年展望」
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◇編集部◇
早いもので、2013年も残すところあとわずか。
2013年、日本の雇用情勢は、政府の経済対策による景気回復を背景に
雇用者数は拡大、有効求人倍率も上昇する等、明るさが増した1年でした。
また、円安効果による製造業を中心とした企業業績の改善や株高による
消費マインドの好転、さらに来年4月からの消費税増税に伴う駆け込み需要が
さらに消費マインドを刺激する等、景気回復という視点で考えてみても、
様々な歯車がかみ合った1年だったと言えるかもしれません。
一方で、中国やアメリカにとって2013年はどんな1年だったのでしょうか。
まずは、今年1年を振り返ってみて印象に残ったニュースをお願いします。
◆人事コンサルタント(中国)◆
まずは「人口ボーナスの終了」を挙げたいと思います。
今年1月に国家統計局が発表したデータにより、2012年の中国の生産年齢
人口(15歳~59歳)が、建国以来、初めて前年を下回ったことが明らかに
なったのですが、無尽蔵に増え続けると思われていた中国の労働力が
減少局面を迎えることになったことの意味は、とても大きいと感じています。
労働力が減少局面に入ったということは、従来のような労働集約型の産業から
付加価値の高い産業への転換への必要性が高まるということを意味します。
そのため、今後は中国政府としても、労働者の質向上や教育水準の高度化に、
これまで以上に力を入れていくものと考えられますね。
一方で、労働力の減少や産業構造の転換に伴い、賃金の上昇にますます
拍車がかかってくるのではないかと思います。
◇編集部◇
最低賃金と言えば、中国の最低賃金の上昇率は日本(※)に比べても
非常に高いと感じていますが、これに拍車がかかるとなると日系企業に
とっても頭の痛い問題ですね。
(※)平成25年度 最低賃金改定額の全国加重平均額は749円から764円に
◆人事コンサルタント(中国)◆
確かに、「20地域(省・自治区・直轄)の最低賃金の平均上昇率が18%」も、
中国で事業を展開する、或いは立ち上げようとする方々にとっては
外せないニュースですね。
しかも、国務院は2015年までに各地の最低賃金水準を、当地の平均賃金の
40%まで引き上げることを目標にしています。現状では、上海市の最低賃金は
平均賃金の34.5%となっていることから、今後の上昇率は比較的小幅と
言えそうですが、北京市の場合、現在の最低賃金は平均賃金のわずか26.8%
であることから、今後の大幅な上昇は避けられそうにありません。
しかし、北京市のように最低賃金と平均賃金とのかい離が大きい地域は
多数あり、当該地域で事業を展開する企業は、このことを念頭に経営の
かじ取りを進めていかなければいけませんね。
最後に、「出国管理の厳格化」を挙げたいと思います。
9月1日より「外国人出入国管理条例」が施行され、ビザの種類の細分化や
審査の厳格化、高度人材の優遇政策が盛り込まれました。背景としては、
中国経済の急速な発展に伴って訪中する外国人の数も増加したことで、
旅行やビジネス、就労、就学等の様々な分野で外国人の不法入国、
不法滞在、不法就労が問題となっており、今回の法改正はこれらの問題に
対応した形となります。そのため、従来のような感覚でビザを申請しても、
取得できないケースも多々あるかと思いますから注意が必要ですね。
◇編集部◇
一方、アメリカでは、この1年を振り返って、
どのようなニュースが特に印象に残りましたか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
まず、日本でも大きく報じられたためご記憶の方も多いと思われる、
「債務残高上限引き上げ難航で、連邦機関が一時ストップ」を挙げます。
デフォルト(債務不履行)に陥る可能性は低いため、それによる不安は
ありませんが、それよりも問題なのは、オバマ大統領の求心力の低下でしょう。
本件に限らず、2013年だけでもオバマケア(国民皆保険制度)問題や中東への
軍事采配問題等により、オバマ政権への支持率は過去最低水準に陥りました。
また、ようやく「円安ドル高」となり、1$=100円の壁を超えたことは、
現地日系企業にとっても明るいニュースではなかったでしょうか。
とはいえ、リーマン・ショック前までは1$=120円前後で安定していたことを
考えれば、2008年と比較すると、まだまだ円高と言えるかもしれません。
現地日系企業にとっては、ドル高基調の方が受ける恩恵は大きいため、
この流れが続くようなら、2014年以降も好況感は続くのではないでしょうか。
最後は、「連邦法で同性婚が認められた」ことを挙げたいと思います。
これにより、扶養家族としての福利厚生への加入、所得税や相続税等に
関する1,000項目以上もの優遇措置の適用、さらにはアメリカ人と同性婚
した外国人にも平等に移民法が適用されるようになる等、様々な分野に
変化が生じており、今後企業人事としても、対象スタッフへの対応に
迫られる部分が数多く出てくると思われます。
◇編集部◇
最後の同性婚の問題については、社会的な制度や企業の対応等の
インフラ整備が進めば、異性同士の婚姻は過去のもの…という時代が、
すぐにやって来るのかもしれませんね。
では、最後になりますが、両国の来年の展望や見通しについて簡単に
コメントをいただけますでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
OECD(経済協力開発機構)は2014年の中国の経済成長率について、
内需拡大が支援要因になるとして、2013年の7.7%から8.2%へ加速するとの
見通しを出しています。とはいえ、中国経済は依然として投資への依存度が
高いことから、自律的な経済成長のためには国内の消費活動を促す構造改革が
必要とも言われています。こうした背景も含め、2014年も、中国政府は
引き続き、内需拡大に向けた改革を進めていくものと思われます。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
現在、景気回復の後押しもあるからでしょうか、
アメリカへ進出する日系企業の数が増加傾向にあり、特に外食や小売、
サービス業での進出はめまぐるしいものがあります。
また、シェールガス革命により日本の製造業が次々にアメリカへ進出しています。
さらに今後TPPが推進されることも考えれば、こうした日系企業のアメリカ
進出の流れは2014年以降も続き、これに円安傾向の持続を加味すれば、
好況感はさらに増してくるのではないかと感じています。
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