- 2009.12.25
- 『世界の人事部』Vol.8
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.8 2009.12.25】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
今月、松井秀喜選手がヤンキースからエンゼルスへの移籍を決めました。
移籍に関する最大の決め手は「守備機会の提供」とのこと。今回の移籍で
年俸はほぼ半減となるようですが、これを決断したということは「年俸の
多寡」ではなく、「守備機会」というものが、いかに彼自身の野球、つま
り仕事に対するモチベーションを高める重要な要素であったかを示してい
ると言えるでしょう。
一方、日本国内では景気の先行きが不透明な中、待遇面での我慢をスタッ
フに強いざるを得ない企業も数多くあると思います。しかし、そんな時期
だからこそ各スタッフの「モチベーションの源」を見つけ、これを後押し
する姿勢が企業に人材を残すとともに、社内活性化にもつながる取り組み
ではないかと改めて感じました。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■─────────────────────────
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第8回】『世界の人事の現場から』
「現地スタッフとのコミュニケーション術」
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国>国務院弁公庁より、
「国務院弁公庁2010年部分休暇日の休暇方法に関する通知」発表
◇<中国>東方網によると、上海本科生の平均賃金は全国1位
◇<日本>クイックの「人事はヒトゴトにあらず 採用と組織の課題解決」
サイトが「happy!919」サイトとして大幅リニューアル
アクセスはこちらから⇒http://happy.919.jp/jingoto/
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第8回】『世界の人事の現場から』
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人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
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【第8回テーマ】
「現地スタッフとのコミュニケーション術」
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◇編集部◇
今回のテーマは、海外での事業成功には避けては通れない、現地スタッ
フとのコミュニケーションのあり方です。職場内コミュニケーションの
円滑さは業務の生産性や質の高さ、そして事業成功へのスピードや規模
の面にも大きく影響すると思いますが、この課題をクリアするためのポ
イントとしては、どのような点が挙げられるでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
結論から先に申し上げますと、日本と現地の商習慣や文化の違いを、日
本人駐在員と現地スタッフ双方が共有、理解することが最も大切ではな
いか思います。
極端な表現になることを恐れずに言えば、アメリカは「契約社会」。
一方、日本は「信用や付き合い」を前提に対応を取ることがあります。
例えば、常連のお客様から「とりあえず」といった仮予約のオーダーが
入るとします。日本の場合、常連さんの気分を損ねてしまうと次回から
の取引に響くので、大抵はこれを受け付けますね。でも、契約社会アメ
リカでは、そうはいきません。契約書を交わしていないので、現地スタ
ッフとしては受付不可が当然の対応です。
すると、お客様からは「常連客に対して、なんて対応だ!」とクレーム
があるかもしれません。しかし、これはスタッフの対応やサービス内容
に問題があるのではなく、これまでの付き合いを前提とした「仮予約」
の対応について教育していたかが問題だと認識すべきでしょう。
アメリカで、アメリカ企業だけを相手にしていれば、こうした問題も発
生しないと思います。しかし日本企業も相手に事業を展開するなら、こ
うした「付き合い」を踏まえた対応や「行間を読む」といった日本独特
の文化、商習慣を教育することは新規顧客の取り込みやスタッフ間に無
用のストレスを生み出さないためにも欠かせませんね。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国において、職場がコミュニケーション不全に陥る原因として最も考
えられるのが、日本人駐在員による「日本の常識を現地に当てはめた判
断・解釈」です。外国で働くということは、商習慣だけでなく、あらゆ
る「常識」が違う環境で生活を送るということ。自分(日本)の「当た
り前」を見直し、現地仕様に修正することが、職場内コミュニケーショ
ンを円滑にする上で、まず取り組むべき項目だと思います。
日本では、中国人スタッフが報告をしないという話をよく聞きます。
しかし、これは「報告を忘れていた」のではなく、彼らの中で「報告す
る必要性がないと判断した」結果だと解釈すべきでしょう。
報告に限らず連絡・相談にしても同様です。時間を割くだけの理由があ
れば、彼らは報告・連絡・相談を行うはずです。こうした自分で物事を
判断し、選択するという習慣が根付いていることも、報告・連絡・相談
や上司の意見を重視する日本の文化とは違うと考える必要があります。
◇編集部◇
現地の文化や習慣を踏まえた上で、日本の良い点とも融合を図って、現
地ならではの企業文化を新たに創り上げることができれば、社内コミュ
ニケーションもスムーズになりそうですね。
一方で、同じコミュニケーションでも、現地では好まれない対応やタブ
ーなどはありますか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
特に中国だからというものはないと思います。「差別」や「決め付け」
的な対応や「宗教上の問題」に絡む発言等は避けた方がいいと思います
が、これは万国共通ではないでしょうか。
よく「中国人は面子にこだわる」と言われますが、日本人でも面子にこ
だわる人は大勢います。現地スタッフの特性を一方的かつ一元的に「決
め付け」たり、些細なことにまでこだわったNGリストを作りに力を注ぐ
よりも、失礼があれば立場にかかわらず素直に謝り、次に修正していく
姿勢の方がずっと健全ですし、コミュニケーション方法、海外での仕事
の進め方としても正しいあり方ではないかと思います。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
「差別」に関する発言はもちろんアメリカでもタブーです。また、現地
スタッフに対して変に気を遣い過ぎるのも、日本人スタッフが陥りがち
な問題かもしれません。
一例として「仕事後にちょっと一杯」という見慣れた光景についても、
日本人だけでという形が続くと、現地スタッフは自分たちが「のけ者」
扱いされたと勘違いするケースもあるようです。もちろん日本人スタッ
フには悪気はありません。むしろ、特定の現地スタッフを就業時間外に
誘うのはパワハラやセクハラ、差別にならないかと配慮したつもりなの
ですが、このように変に気を遣い過ぎて誤解を招くケースが少なくない
ようです。
◇編集部◇
では、特にリーダー的な立場にある日本人スタッフが現地スタッフを、
リードして事業を進めていく上で、配慮すべきポイントとしてはどのよ
うなものが挙げられますか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
いくつかポイントがあると思いますが、まずは先程もお話しました
「変に気を遣い過ぎない」ことです。基本的にアメリカ人も日本人も
同じ人間ですから、お互い「仲良くやりたい」のが正直な気持ちです。
そのためにも普段から自然体で接するよう意識するほかパーティーなど、
お互いが身構えることなく、フランクにコミュニケーションが取れる機
会を積極的に設けてみるといいと思います。
また人材採用の観点から話をすると、日本生まれ、または親が日本的な
教育を受けている現地日本人、あるいは日本への留学や滞在経験がある、
日本人と国際結婚している現地人など、日本文化や商習慣をある程度理
解している人材を採用し、現地スタッフとの橋渡し役になってもらう方
法も有効でしょう。
何よりも、現在はコミュニケーションツールが多岐に渡っていますが、
できる限り直接話をするという意識を持つことがやはり大切ですね。
特に、アメリカのオフィスは日本のように「島」形式ではなく、パーテ
ーションで仕切られていて、直接的なコミュニケーションが取りづらい
環境です。だからこそ、「わざわざ直接」の意識が大切なんです。
◆人事コンサルタント(中国)◆
これまでの点に加えて、リーダー層の人材として現地スタッフとのコミ
ュニケーションを円滑に進めるためのポイントをお伝えするなら、現地
スタッフに「何らかの結果・価値を示すこと」が重要だと思います。
日本でも同じですが、肩書きだけのリーダーに人は付いてきません。
まずは結果を示し、現地のスタッフに「この人に付いていくべきだ」と
思わせることが重要です。そうすれば彼らの反応は必ず変わります。
多少言葉ができなくても、現地スタッフは「この人の話を聞こう。理解
しよう。何かを得よう。」という意識を持ち、積極的にこちらの話に耳
を傾け始めます。そうなると言葉の巧拙は大した問題ではなくなります。
後は、会社としてスタッフ全員が目指すべき目標を共有することで社内
の結束も固まり、業務の生産性も向上するはずです。
その際、最も大切になるのが「どうにか現地事業を軌道に乗せるために
貢献したい。そのためには自分はどうするべきか」を、リーダー自身が
常に考え、実行に移す前向きな姿勢だと思います。
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