- 2010.04.30
- 『世界の人事部』Vol.12
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.12 2010.4.30】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
新年度がスタートしてちょうど1ヶ月。新入社員や人事異動で新たな環境で
仕事をスタートされた方もようやくペースを掴み始める頃だと思います。
と同時に、それまで抱いていた仕事のイメージと現実の仕事とのギャップ
を改めて考える時間的な余裕が生まれてくるのもこの時期です。
こうした際に、的確なケアができるかどうかが人材の定着率や成長度など
にも大きく影響するものです。人事担当者はもちろん管理職、そして周囲
の先輩スタッフ含めて、職場全体で新しい環境で頑張るスタッフのケアに
取り組むことが、ひいては職場の一体感の醸成、組織としての強化にもつ
ながっていくのではないでyそうか。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第12回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国>華商網-華商報によると、2010年は99%企業が昇給を実施
◇<中国>新聞晨報によると、
2010年のホワイトカラーの平均昇給率は約8%に
◇<日本>株式会社アイ・キューが、人事が集い、学び、交流するイベント
「HRカンファレンス第3回」を 5月31日(月)に開催
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第12回】『世界の人事の現場から』
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人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
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【第12回テーマ】
「海外の人材派遣市場の現状は? 中国編」
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◇編集部◇
今回のテーマも先月に引き続き人材派遣です。
景気の底入れ感が幾分見え始めてきたとはいえ、これまでの業績悪化に
より打撃を受けた企業基盤の立て直しや今後の法改正を見据え、国内の
派遣業界が変革を迫られている今、お隣中国の人材派遣市場はどのよう
な状況なのか。お話をうかがっていきたいと思います。
◆人事コンサルタント(中国)◆
現在、中国全体としては日本で言う所の人材派遣である「労務派遣」が
急激な伸びを示しています。一部報道では、中国全土での派遣労働者数
は2,700万人、第2次・第3次産業の就労人口の15%以上とも言われてい
ます。また、労務派遣サービスを利用する企業も外資系企業だけでなく、
国営企業、政府機関を含めた現地企業にまで及び、業界としては急拡大
の局面にあると言っていいかもしれません。
しかし、2008年から施行された「労働契約法」という長期雇用を推進す
る法律ができたことにより、ホワイトカラー層を派遣で活用している日
系企業でも派遣のメリットを見直す動きが進み、直接雇用に切り替える
ケースが徐々に増えてきつつあります。
◇編集部◇
日系企業では日本国内同様に、派遣活用から直接雇用への切り替えが増
加してきているのにもかかわらず、中国全体では労務派遣市場が拡大し
ている理由はどこにあるのでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国において「派遣」という雇用形態は外国から輸入された新しい仕組
みです。定義や法律もまだまだ未整備という点も、恐らく市場全体が急
成長を遂げる要因になっているでしょう。
ただ、日系企業の派遣活用への対応と中国での派遣市場の動きに逆転現
象が起きている最大の要因は、「派遣」についての捉え方や活用の背景
が日本と中国では大きく違っているからだと、私は思います。
◇編集部◇
具体的には、どのような点が日本と中国では異なるのでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
そもそも中国における派遣会社と派遣先、労働者の3者の関係は、
(1)派遣会社 ⇔ 労働者 (雇用契約)
(2)派遣会社 ⇔ 派遣先 (派遣契約)
(3)派遣先 ⇔ 労働者 (指示・命令権+「管理責任」)
(1)(2)の関係については日本と同じで、決定的に違うのは(3)に
ある通り、派遣先が労働者の「管理責任」を負うという点です。指示・
命令に加えて管理も派遣先が行わなければならないとなると、日本で
あれば直接雇用とほとんど変わりません。
にもかかわらず、市場が急拡大するほど現地企業が労務派遣サービスを
積極活用する背景にある理由とは、「コスト削減」に他なりません。
一般的に日本では「現地企業の給与は低い」と思われがちです。確かに
現金支給される「給与」そのものは少なく見えますが、現物支給される
「モノ」や、何よりも定年後の「保障(福利)」などを考えると、一概
に低賃金とは言い切れません。特に定年後の「保障(福利)」である年
金については、国営企業に直接雇用されていた人であれば、国から受け
る年金よりも多い企業年金を、別途死ぬまで受け取ることができるケー
スもある程です。現在の直接雇用従業員を派遣化するのは、こうした福
利面を含めたコスト削減効果が非常に大きいからとも言えます。
こうしたバックボーンから、現地企業では会社にとって本当に重要な人
材、特に中枢業務を担うホワイトカラー層を直接雇用として厚遇措置を
約束することで社外への流出を抑えるケースが多いです。オフィスワー
クを中心としたホワイトカラー層は派遣活用という日本の考え方とは全
く正反対ですね。
◇編集部◇
派遣活用の職種が日本と大きく異なるというのは驚きですね。
では、現地企業が積極的に派遣活用する職種としては、どのような職種
が挙げられますか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
先程、派遣という雇用形態は法律も未整備な部分が多いと言いましたが、
「労務派遣」について規定した法律の中で明確に定められている事項が
いくつかあります。その一つに『労務派遣は「臨時性」、「補助性」、
「交替性」(「三性」と総称)の職位においてのみ適用できる』という
ものがあります。
この規定に基づいて現地企業では社内にある職位のうち、これら三性に
該当しそうな、いわゆる非主要業務に就くスタッフについて積極的に派
遣化を進めています。最近ではブルーカラーに近い職種や銀行、スーパー、
運転手などで派遣化の動きが顕著に見られるようです。
◇編集部◇
こうした現地の動きを受けて、日系企業の対応も変化してきているので
しょうか。また、派遣活用する上で人事担当者として配慮しておくべき
点等がありましたらお願いします。
◆人事コンサルタント(中国)◆
最近では、日系企業においてもブルーカラー層のスタッフを派遣雇用す
るケースも少なくありません。ただ、その中でも派遣雇用とするのは
1年間で、1年以上継続したスタッフについては直接雇用という企業も少
なくないようです。これは特定の業務についてスキルのある人材を固定
的に活用することで社内業務の簡便化を図ると同時に、会社に対する忠
誠心を高める意図もあると考えられます。
派遣活用についてはコスト削減の視点から考えると、非常に効果的と言
えますが、スタッフの仕事に対するモチベーションの維持、向上を図る
上では慎重な対応が求められるということを意識しておく必要があるで
しょう。
ただ、最近中国沿岸部ではブルーカラー層の人手不足が深刻化していま
す。会社によっては必要人員の1/10しか労働力を確保できていない
例も散見されています。よって、「派遣従業員を低賃金で雇用する」と
いうような買い手市場的な発想が通用しなくなってきています。
むしろ、不足している人員を確保するために、「派遣会社に人員確保を
お願いする」という例が増えてきているほどです。
中国市場においては、1年前の情報、いえ半年前の情報ですら、時期に
よっては「古すぎて使えない」環境になっているとお考えいただいた方
が良いかと思います。
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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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◇会場 株式会社クイック セミナールーム
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□発行元 株式会社クイック『世界の人事部』編集部
■URL http://919.jp
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