メールマガジン

2011.10.31
『世界の人事部』Vol.30【現地担当者が抱えるストレス・現地スタッフが感じるストレス】
 □■□――――――――――――――――――――――――――――――
       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部』
                        【Vol.30 2011.10.31】
 ――――――――――――――――――――――――――――――□■□
  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部』編集部です。

 この10月、米アップルのスティーブ・ジョブズ氏が亡くなりました。
 近年では「iPad」や「iPhone」を世に送り出し、この8月にはアップルを
 時価総額世界一の企業へ導いた希代のリーダー。世代を問わず数多くの
 方々がそれらの商品を楽しむ様を見るにつけ、彼が商品を通してその機能
 だけでなく、新しいライフスタイルを提供し続けてきたことは本当に素晴
 らしいことだと思います。新商品を出しても、すぐに他社から追随品が出
 されて価格競争に…というケースが多い昨今だからこそ、その商品を通し
 てしか得られない付加価値を提案することはとても重要なことです。

 ジョブズ氏なき後の新生アップルが、今後、私たちにどのような付加価値
 を提案してくれるのか、注目していきたいと思います。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
 
 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第30回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 【1】 今月の人事労務ニュース
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
 スを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 <中国> 青年報によると、人力資源サービス会社 智聯招聘の調査から、
      「80後」の60%以上が転職を考えていることが明らかに
      (80後:1980年代生まれの若者のこと)

 <アメリカ> クイックUSAが、11月9日(水)、16日(水)、23日(水)、
        30日(水)ニューヨークオフィスにて就職・転職に関する
        無料「ご登録・相談会」を開催!
        詳しくはこちらまで⇒
        http://www.919usa.com/j/topicList.aspx


 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/

 アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第30回】『世界の人事の現場から』
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
 一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
 さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
 その苦労は国内の比ではないと思われます。

 そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
 人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
 現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
 
 ------------------------------------------------------------------
 【第30回テーマ】
 「現地担当者が抱えるストレス・現地スタッフが感じるストレス」
 ------------------------------------------------------------------
 ◇編集部◇
  日系企業が新たに海外進出し、軌道に乗せるまでには、現地の担当者は
  様々な場面で、数多くのストレスにさらされることと思います。現地企
  業を含めた競合等の争い、日本とのビジネスの進め方の違い、さらには
  海外赴任ゆえの生活面でのストレスを抱えることもあるでしょう。とは
  いえ、事業をスピーディーに軌道に乗せる上では、こうしたストレスは
  少ないに越したことはないでしょう。

  そこで今回は、現地日系企業の担当者がよく直面するストレスに注目し
  たいと思うのですが、実際に現地で事業を進める上で現地担当者が抱え
  がちなストレスにはどのようなものがありますか。


 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  現地担当者が「こうあってほしい」、「当然、こうあるべきだ」という
  ものが、「全くもって、そうならない」ことで発生するものがストレス
  だと定義するならば、(1)対中国、(2)対社内、(3)対本社の3つが
  大きなストレス要因になるかと思います。

  具体的な例を挙げれば、(1)の対中国的なストレスとは、みんなが列
  に並ばない、時間を守らないなど、日常生活でも直面するようなもの。
  また、(2)の対社内的なストレスには、スタッフがミスをした時に謝
  罪をせず、言い訳ばかりするとか、すべきことをせずに、要求ばかり
  してくることなどがあるでしょう。最後に、(3)の対本社的なストレ
  スには、現地事情を一生懸命説明しても、なかなか理解してもらえない
  がゆえに生じるストレスがあるかと思います。


 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  アメリカで仕事をする上でも、現地担当者が感じるストレスは中国の
  ケースと同じく、(1)アメリカ社会や文化、生活面での差異から生じ
  るストレス、(2)対社内的なストレス、(3)対本社的なストレスが代
  表的なものになるかと思います。

  例えば、(1)アメリカ社会や文化、生活面での差異から感じるストレ
  スには、地下鉄が時間通り来なかったり、荷物の配達が約束の日から酷
  い時には数週間遅れることがあるなど、約束や時間にルーズな点に感じ
  るストレスがあるでしょう。また、(2)社内的なストレスについては、
  現地スタッフとの仕事観の違いやロイヤリティの低さから生じるストレ
  スや、言葉の壁による現地スタッフとのコミュニケーション不足から生
  じるストレス、さらには信頼関係がうまく構築できないことによるスト
  レスなどが考えられます。(3)対本社的なストレスとしては、現地法
  人担当者の決裁の範囲が狭い点や、それにより本社に決裁を仰ぐ際に時
  間がかかる点にストレスを感じるケースが多いと思います。また、中国
  同様、現地の状況を本社に理解してもらえないために生じるストレスや、
  本社のやり方が現地では通用しないためのストレスもあります。さらに、
  日本からの赴任してきた現地担当者の場合、いつ本社に戻れるのかとい
  う漠然とした不安もストレスになるかと思います。


 ◇編集部◇
  こうした諸々のストレスが発生する原因はどのようなところにあり、
  またどのように解決、対応していけばいいのでしょうか。


 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  そもそもの原因は、日本と中国とでは「常識や当たり前の基準」が違う
  という点にあると思います。しかも、「常識や当たり前」というものは、
  その中にいては気付くことのできないもので、異なる「常識や当たり前」
  の中に身を投じて初めて気が付くものです。 この「常識や当たり前の
  基準」とは、いわゆる「前提条件」のことですが、前提条件が異なる中
  国で、日本の前提条件を押し付けて物事を進めても、うまくいくはずが
  ありません。

  なぜうまくいかないか。それは「前提条件が違うから」ということを正
  しく理解することが、ストレス発生の原因解決のための第一歩と言える
  でしょう。

  そもそも、日本の常識や前提は、ここ中国ならば「偏差値70」のレベル
  の視点です。少数派である偏差値70の優等生(現地担当者)が、大多数
  の「偏差値50」の普通の学生(現地スタッフ)の中に入れば、浮いてし
  まうのは仕方のないこと。どちらが正しい、間違っているというわけで
  はありませんが、やはり中国においては、少数派である日本の常識は異
  質であり、それが多数派である中国人の間で通用しないのは当たり前だ
  と思いますね。

  また、人は「違い」は目に付くものですが、「同じ」ものは見落として
  しまいがちです。だからこそ、日本と中国の「同じ」部分や「共通」項
  目に意識を向けることはとても大切です。それらをスタッフ同士、顧客
  との間で共有することができれば、よりスムーズに現地で仕事を進めて
  いくことができるでしょう。

 ◇編集部◇
  確かに、異文化の中に身を置かなければ、これまでの前提条件が通用し
  ないことは肌感覚で理解できないと思います。それだけに、対本社的な
  ストレスに関しては、非常に対応が難しいのではないでしょうか。


 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  確かに、この対本社的なストレスが一番やっかいで、現地担当者の大半
  の方が頭を悩ませている問題ではないでしょうか。こればかりは、本社
  という相手があるだけに、自分たちの努力だけでどうにかなるというも
  のではありません。日本と中国の前提条件や常識、さらには法律の違い
  等も含め、現地事情をしっかりと説明して理解を得るしかないでしょう。
  実際に「現地」を肌で感じてもらう機会を作るなどの工夫も必要かもし
  れません。


 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  ストレスの原因や解消法に、国境の差はなく、アメリカ社会で感じるス
  トレスの原因も、やはり「日本の常識」やそこで培われた「自分の常識」
  を基準に物事を考える点にあると思います。

  私自身も現地担当者として仕事をスタートさせた直後は、仕事やプライ
  ベートを問わず、多くの場面でストレスを感じました。その経験を踏ま
  えて現地担当者の方々、これから赴任される方々にアドバイスをお送り
  するならば、何よりも「くよくよしないこと」。そして、「ストレスに
  潰されないよう、自分自身のストレス耐性や許容範囲を把握しておくこ
  とも、とても大切なことだと思います。

  一方で、海外赴任を命じる本社側としては、現地担当者の大半が赴任後
  に大きなストレスを感じるものであるという前提のもと、彼らが赴任先
  でストレスに押し潰されることのないよう、コミュニケーションを密に
  するなどの配慮を忘れないようにすべきです。もちろん、それ以前の話
  として、赴任者には業務能力はもちろんのこと、ストレス耐性の高い方
  を選定することが大切ですね。

  また、日本からの現地担当者だけでなく、現地スタッフ側にも同様にス
  トレスがあることを忘れてはいけないと思います。例えば、社内的なス
  トレスとして挙げたコミュニケーション不足、それに伴って信頼関係が
  うまく構築できないことでストレスを感じているのは、何も現地担当者
  だけではありません。さらに、本社にお伺いを立てる体質や本社スタッ
  フとの待遇の差などに対しても、現地スタッフはストレスを感じている
  という話を耳にします。これらに対する配慮を忘れなければ、社内的な
  要因で発生するストレスはずいぶんと軽減されるのではと思います。


 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国でも、守りの意識やリスクヘッジ最優先で、チャンスに対して消極
  的、決断できない社長や現地担当者に対して、また夢や逆転のチャンス
  や芽のない待遇に対してなどは、日本の社員と同様に中国の現地スタッ
  フだってストレス感じると思います。日本のやり方に固執して、知らず
  知らずに現地スタッフのストレスを増幅させないためにも、現地担当者
  自身が、「駐在員」としてではなく、「社長」になりきって仕事と向き
  合うことが大切でしょうね。本社と現地の橋渡しをするためではなく、
  現地スタッフとともに、現地で事業を軌道に乗せるための社長というセ
  ルフイメージをいかに持てるか。私が知る限り、これができている現地
  担当者はごくわずかです。ただ、実際に現地担当者や責任者が、こうし
  たイメージを持っている会社は本当に儲かっていますし、社員もみんな
  イキイキしています。その意味では、現地スタッフがストレスなく仕事
  に打ち込める環境を創ることも、結果的には現地担当者のストレス軽減
  のための解決策の一つでもあるということかもしれませんね。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
 クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
 興味、関心の高いセミナーがございましたら、今すぐお申込を!

 ■ 11 月8 日(火)13:00 ~ 15:00(12:45 開場)

  適性検査「CUBIC」解体新書

  ◇内容  適性検査を行う意義とは?
       3,500 社が導入している適性検査「CUBIC」の特徴 
       CUBIC 活用事例
  ◇会場  株式会社クイック リクルーティング事業本部 東京営業部
       (東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F)
  ◇参加料 無料 ※CUBIC 無料トライアル付き
  ◇対象  経営者の方・採用ご責任者様・ご担当者

  詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/CUBIC1108-17.pdf


 ■ 11月9日(水)17:00~18:00

  第9回新卒採用担当様向けの新たな情報収集・交換の場
  【クイックラウンジ】
  『TI業界の新卒採用、どんな工夫が必要?』

  ◇会場  株式会社クイック リクルーティング事業本部 東京営業部
       (東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F)
  ◇参加料 無料(コーヒー、お菓子をご用意してお待ちしています)
  ◇対象  IT業界で新卒採用を担当している人事のご担当者
  ◇定員  6名

  詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/20111109lounge.pdf


 ■ 11月9日(水) 13:15~16:00

  『採用活動におけるFacebookのコツ』
  『適性検査とは?CUBICとは?』

  ◇会場  株式会社クイック 大阪本社 セミナールーム
       (大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
  ◇参加料 無料
  ◇対象  経営者様、人事責任者様

  詳細はこちら⇒
  http://happy.919.jp/documents/201111-12seminar_osaka.pdf


 ■ 11月17日(木)13:00 ~ 15:00(12:45 開場)

  採用選考 実践Q&A ~ CUBIC の活用事例を中心に
  【既存ユーザー様向け】

  ◇内容  「採用したい人材=選考基準」ではない
       自社はどのような人材を採用すべきなのか? 
       企業の現状を踏まえた人物像策定方法
       求める人物像を選考基準化する上でのCUBIC の“使い方”
       CUBIC と面接との関係(機能分担) 
       グループ面接の問題点
  ◇会場  株式会社クイック リクルーティング事業本部 東京営業部
       (東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F)
  ◇参加料 無料
  ◇対象  CUBIC ユーザー企業の経営者の方・採用ご責任者様・ご担当者

  詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/CUBIC1108-17.pdf


 ■ 11月29日(火) 14:00~17:00

  採用コミュニケーション力強化のための
  『面接官研修 ~初級編~』

  ◇会場  株式会社クイック 大阪本社 セミナールーム
       (大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
  ◇参加料 20,000円(税別)/1名
  ◇対象  採用面接に携わる方
       経営者様、人事担当者様、リクルーターの方

  詳細はこちら⇒
  http://happy.919.jp/documents/201111-12seminar_osaka.pdf


 ■ 12月6日(火) 10:00~15:00

  『内定者フォローアッププラン』

  ◇会場  株式会社クイック 大阪本社 セミナールーム
       (大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
  ◇参加料 30,000円(税別)/1名
  ◇対象  2012年度 内定者の方

  詳細はこちら⇒
  http://happy.919.jp/documents/201111-12seminar_osaka.pdf

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 【メールの表示について】
  このメールは等幅フォントを使用し、横幅全角35文字以上の設定で
  正しく表示されるように作成しております。
  また、本メールマガジンより生じる損害・トラブルにつきましては
  一切の責任を負いません。
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 □発行元 株式会社クイック『世界の人事部』編集部
 ■URL http://919.jp
 □情報提供・ご意見・お問い合わせ info-koho@919.jp

 掲載された記事・情報を許可なく転載することを固く禁じます。
 Copyright(C)2011 QUICK CO., LTD. All rights reserved

 このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/を
 利用して発行しています。
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
PAGETOP