- 2012.01.31
- 『世界の人事部』Vol.33【現地人事コンサルタントに聞く 年末年始中国法令・政策事情】
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.33 2012.1.31】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
2012年も、どうぞよろしくお願いいたします。
先日、ダルビッシュ有選手がポスティングシステム(入札制度)を利用
して、大リーグへの移籍を決めました。若い才能が海外で、世界を相手
に勝負する姿を目にすることは大きな楽しみです。
ただ一つ残念だったのは、彼が移籍を決めた理由。たとえ冗談でも、戦
う前から勝負を半ば諦めるような声が周囲にあったという話です。そう
した雑音が、若い人材のモチベーションを奪っていたことは由々しき問
題ではないかと思います。
とはいえ、これは決して彼らの世界だけの問題ではなく、私たちの職場
でも十分に起こりえる問題です。これを機に、自分の言葉、対応ひとつ
が、周囲の人間のモチベーションを左右する可能性を持っていることを
再認識し、改めて自分自身の仕事やスタッフに対する向き合い方につい
て見直す機会を持ってみてはいかがでしょうか。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■─────────────────────────
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第33回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
<中国> 北京市人力資源社会保障局が、
北京市の最低賃金基準の調整に関する通知を公表
最低賃金基準は6.7元/時間(1,160元/月)から
7.2元/時間(1,260元/月)に
<中国> 東方網によると、
昨年の上海市の年間GDPは1兆9196億元と前年比8.2%増に
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第33回】『世界の人事の現場から』
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【第33回テーマ】
「現地人事コンサルタントに聞く 年末年始中国法令・政策事情」
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◇編集部◇
2012年最初のテーマは、年末年始における中国の法規の公表についてで
す。個人的な印象で恐縮ですが、年末年始の突然の法規の公表について
は内容こそ違えど、一種の風物詩と言ってもいいくらい、毎年の光景と
なっているのではないでしょうか。
事実、昨年末からこの年始にかけても、新たな法律や政策の公表がいく
つかあったと聞きましたが、具体的には、どのような内容のものだった
のですか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
日本の場合、法律は全国共通のものですが、広大な国土を持つ中国では、
各地方によって状況が異なっていますので、全てを網羅することはでき
ません。そこで今回は、私たちが把握しているものの中でも、特に現地
日系企業にとって影響が大きそうなものをいくつかご紹介します。
まずは、北京市などの地域での最低賃金の引き上げです。ちなみに、北
京市では1月1日から最低賃金が1,160元/月から1,260元/月になるとの通
知があったのですが、これが対外的に公表されたのは、なんと昨年の
12月31日でした。
また、私たちのような現地駐在員など、中国国内で就業する外国人の社
会保険加入義務化に関しても、中央政府から通知がありましたが、これ
が公表されたのも昨年12月30日とまさに年の瀬。さらにその内容につい
て大まかに言うと、「外国人の社会保険加入に関する手続きの締め切り
は、翌日の12月31日が締め切り。それ以降に手続きする場合は、2011年
10月15日まで遡って滞納金を徴収する」というものでした。
◇編集部◇
12月30日の公表にもかかわらず、手続きは翌日がリミットというのは、
日本では考えられないほどタイトというか、非現実的なスケジュールで
すね。実際、こうした通知を受けて、現地の日系企業各社の対応状況は
いかがですか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
外国人駐在員が多く在籍し、強制的に過去の分を遡及されることを懸念
している企業では、昨年度の決算時に既に引当金に相当する費用を計上
しています。しかし、どうすればいいか分からず混乱している企業が数
多くあることも事実です。こうした対応ひとつ取ってみても地域や企業
によってかなり温度差があるという印象ですね。
一方で、今回の通知に対する地方政府側の認識や効力、徹底度、温度差
については、現状ではまだ不明です。ただ、その方針が明らかになって
くれば、これらの対応もまた違った動きになってくると思います。
今回のような突然の法令や政策の公表に伴う政府側の対応の現状や、現
地日系企業が取るべき具体的な対応策などについては、私たちが発行し
ているメールマガジンにて随時情報を提供していますので、ぜひ活用し
ていただければと思います。
上海クイックマイツ メールマガジン登録はこちらから
http://www.919myts.com.cn/mailmaga/index02.html
◇編集部◇
ただ、中国で事業を進めていくのであれば、こうした突然の法律や政策
の制定、変更についても、一つの前提条件として受け入れる必要があり
ます。とはいえ、実際にこうした際に会社が混乱しないためにも、かじ
取りを行う経営者や管理部門のスタッフが、普段から意識しておくべき
ポイントは何かありますか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
最初から、「何が正しいのか」という正解を探さないことがポイントか
もしれません。
というのも、こうした突然の法律、政策の制定や変更が公表された当初
は、最新情報を得ている専門家や、さらには政府内の当局担当者でさえ
右往左往しているからです。また、公表直後であれば、「他はどうして
いるのか」という視点から答えを探るケースも多いと思います。ただ、
そこでたどり着くのは、恐らく「他も同じように、他はどうしているか
を探している」という答えでしょう。
「具体的な対応が分からない」、「他がどうするのかも見えない」とい
う状況にありながら、決断を迫られる。これが現地日系企業の経営者や
管理部門のスタッフが直面している現実です。しかし、判断材料が全て
出揃っていない状況で判断を迫られるというのは、決して中国だからと
いうわけではなく、日本の経営者も同じだと思います。
こうした状況で意思決定のスピードを上げようとするならば、いかに信
用できる情報を積極的に集めるかが重要なポイントになってきます。時
には、情報を「購入」することも必要になってくるでしょう。とはいえ、
公表直後は政府の人間さえ混乱している程ですから、判断に足る十分な
情報が集まるとは限りません。そうした中での決断ですから、当然リス
クは生じます。
しかし、情報が出揃うまで待って、コストをかけずに安全に、無難に対
応するという場合も、「すぐに対応しない」という決断をしているわけ
です。そのため、情報が揃わない中でスピーディーに決断する企業が直
面するリスクは避けられますが、場合によっては企業間競争に「出遅れ
る可能性」があるというリスクを負わなければなりません。
企業ごとに考え方が違いますから、一概にどちらが正しいとは言えませ
んが、いずれにしても決断に伴うリスクは負うという経営者マインドを
持つことも、法律や政策による事業環境の変化に惑わされないための大
切なポイントだと思います。
◇編集部◇
また、こうした突然の事業環境の変化に極力対応できるよう、会社とし
ては普段からどのような準備をしておけば良いのでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
やはり、普段からの情報収集しかないでしょう。そのためにも「経営者
マインド」を強く意識して、情報をキャッチするためのアンテナを常に
敏感にさせておく必要があります。待っているだけでは情報は寄ってき
ません。
そこで得た情報を活かして経営判断のスピードアップが図ることができ
れば、法規の制定や変更に限らず、突然の事業環境にも柔軟に対応でき
るのではないかと思いますし、事業面でも、素早いジャッジによって先
行利益をものにできるケースがあるのではないでしょうか。
◇編集部◇
では最後に、年末年始以外で法令や政策に関する通知が公表されるタイ
ミングがあるようでしたらお願いします。
◆人事コンサルタント(中国)◆
確かに、年末年始は傾向として全国レベルの重要法規等が突如発布され
るケースが多いのですが、その他については地域によってまちまちです。
例えば、上海市について言えば、主な法規等の公表タイミングは以下の
ようになっています。
□3月 上海市平均賃金の公布
この平均賃金は、社会保険料などを決める「基数」の根拠となる
数値となります。
□4月 上海市の最低賃金変更
時期が確定しているわけではありませんが、最近の傾向としては
4月に改定されるケースが多いです。
□6月 住宅積立金の基数変更通知
細かく言えばきりがありませんが、事業運営に影響を与える主だった法
規等の改定タイミングを、予め押さえておくことができれば心の準備も
できますから、業務上のストレスはかなり軽減されると思います。ぜひ、
ご自身の地域についても確認してみてはいかがでしょうか。
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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
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■【大阪会場】2月8日(水) 15:30~18:00
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(東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8階)
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詳細はこちら⇒
【大阪】http://happy.919.jp/documents/120208-0308.pdf
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■2月15日(水) 17:00~18:00
第13回 新卒採用担当様向けの新たな情報収集・交換の場
【クイックラウンジ】
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◇会場 株式会社クイック リクルーティング事業本部 東京営業部
(東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8階)
◇参加料 無料(コーヒー、お菓子をご用意してお待ちしています)
◇対象 新卒採用のご担当者様
◇定員 3名
詳細は、
セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで
■3月8日(木) 10:00~11:30
『長期に繁栄している会社の人財育成のコツ』
~クイック・イノベーションクラブのご紹介~
◇会場 株式会社クイック 大阪本社 セミナールーム
(大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル16階)
◇参加料 無料
◇対象 中小企業の経営者様、人事責任者様
詳細はこちら⇒
http://happy.919.jp/documents/120208-0308.pdf
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