- 2012.03.30
- 『世界の人事部』Vol.35【現地日系企業における幹部スタッフの育て方】
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.35 2012.3.30】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
3月28日、改正労働者派遣法が参院本会議で可決、成立しました。当初盛
り込まれていた「製造業派遣」や「登録型派遣」の原則禁止規定が削除さ
れたインパクトが大きいのですが、一方で、派遣会社のマージン率の公開
義務化は、会社間の価格競争を進め、場合によっては業界全体が疲弊して
しまうのではという見方もあるようです。しかし、そうした環境だからこ
そ、価格ではなく新しい付加価値によって台頭する派遣会社が現れる可能
性もあるでしょうし、さらに言えば、派遣に代わる新しい働き方、雇用の
カタチが生まれるかもしれないのではとも感じています。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■─────────────────────────
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第35回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
<中国> 新華網によると、離職率が継続的に上昇する中、収入よりも
仕事に安定を求める女性社員への好感が上昇とのこと
<日本> 株式会社アイ・キューが、5月23日(水)、24日(木)の両日、
「日本の人事部 HRカンファレンス 2012 -春-」を開催
日本の人事部 HRカンファレンス開催概要
http://hr-conference.jp/
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第35回】『世界の人事の現場から』
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【第35回テーマ】
「現地日系企業における幹部スタッフの育て方」
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◇編集部◇
今回は、現地スタッフをいかに幹部にまで育てていくかというテーマで
お届けしたいと思います。
ご存知のとおり、アメリカや中国は、共に転職が一般的なお国柄。こう
した中で、現地で採用した優秀なスタッフを幹部にまで育てていくには、
その人材が育成途中で転職等、社外流出してしまわないようにすること
も含め、様々な取り組みが必要になってくると思います。
では、実際に現地スタッフの幹部育成に成功されている企業は、一体ど
のような取り組みや工夫をされているのでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
まず、人事評価や待遇といった側面について、日系企業の多くが陥りや
すい問題点を挙げてみます。裏を返せば、それらの問題をクリアしてい
る企業が育成に成功しているケースが多いと考えても良いと思います。
例えば、社長や総務のスタッフが人事業務を兼務している、または日本
式のローテーション人事に基づいて人事経験が浅い方、あるいは全くな
い方が人事業務を行っている場合などは、正当な人事評価が行われてい
ないケースが多いようです。考えられる理由としては、人事業務を兼務
している方にとっては、その他の業務との兼ね合いもあり、人事評価の
ためのまとまった時間が取りづらい点が挙げられるでしょう。また、経
験の浅い方にとっては、人事評価に必要な判断基準やノウハウが出来上
がっていないことなどが挙げられるかと思います。
また、待遇面についてですが、日系企業におけるマネージャークラス以
上のスタッフの給与は、現地企業と比べて低い傾向にあるようです。同
業他社の平均よりも20%以上ダウンしている企業も少なくないと聞いて
います。アメリカでは、一般的に年収ベースで同業他社平均よりも1万
ドル以上低いと転職に踏み切ると言われています。その意味でも、常に
同業他社、中でも米系企業の給与水準には気を配っておく必要はあると
思います。
◆人事コンサルタント(中国)◆
そう言われると、中国の日系企業における状況もアメリカと似たり寄っ
たりだなと感じます。
また、待遇面についてですが、日系企業の多くはこちらで現地スタッフ
を採用する際、期限を定めた有期雇用契約を行っているにも関わらず、
社内的には日本の長期雇用を前提とした給与体系を採っているケースが
多々あります。そのため、結果的に日系企業の多くでは、賃金の横並び
や年功序列型の賃金体制が一般化してしまっていて、仮にものすごい実
績を上げたスタッフが出たとしても、そのスタッフがドリームを掴み取
ることはできない、という図式が既定路線として出来上がっているケー
スも少なくありません。
◇編集部◇
では、評価や待遇面で現地企業と比べて魅力が薄いという状況の中、現
地幹部スタッフの育成に成功されている日系企業の多くは、どのように
して優秀なスタッフのモチベーションを高めているのでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
こちらについても、日系企業が陥りやすい問題点をいくつか挙げていき
たいと思います。逆に、これらの諸問題をクリアすれば、現地幹部スタ
ッフの育成に成功する可能性も高いと考えて良いでしょう。
例えば、優秀なスタッフの方が、現在アシスタントマネージャーとして
働いているとします。そして、その上司は日本から赴任してきた現地駐
在員です。この度、上司が帰任することになり、いよいよ次は自分がマ
ネージャーになれるのかと思っていたら、また日本(本社)から別の駐
在員が赴任してきて自分の上司になる…。このようなケースは日系企業
では日常茶飯事ではないかと思います。
しかし、これでは本人の業務に対するモチベーションが上がらなかった
り、結果として社内でのキャリア形成がこれ以上望めないとして転職を
考えても仕方のないことだと思います。幹部社員は日本(本社)からの
駐在員という図式をなくして、あくまで現地における実績を参考に、と
なればベストでしょう。少なくとも、現地スタッフが昇進・昇格できる、
本人がキャリアパスやキャリアプランを描けるように社内体制を整備す
ることが大切だと思います。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国の日系企業においても、現地化を目指しているという企業は多いの
ですが、実情としてはアメリカ同様、日本(本社)からの駐在員、場合
によっては本社そのものの管理下でしか物事が判断できない、積極的に
チャレンジできない、キャリアアップもできないというケースが少なく
ないと感じています。
こうした社内体制が現地スタッフの中でも暗黙の了解となってしまって
いては、いくら経営サイドが「頑張れば、待遇や地位などが良くなるか
ら」と声高に叫んでも、モチベーションはなかなか上向かないでしょう。
逆に言えば、その掛け声に対する経営サイドの本気度が伝われば、スタ
ッフのモチベーションは自然と高まってくるものではないかと思います。
◇編集部◇
また、会社に対する帰属意識や愛社精神も、スタッフを引っ張る存在と
しての幹部スタッフには求められる資質ではないかと思うのですが、こ
うしたものを醸成するための取り組みや工夫としては、どのようなもの
が考えられるでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
これまでは、日系企業の問題点を指摘してきましたが、会社への帰属意
識や愛社精神を育むための取り組みや工夫に関しては、日系企業ならで
はプラス要因がいくつもあるのではないでしょうか。
例えば、基本的にリストラされにくく、長期的に安心して働ける環境が
あるという点。中国サイドのコメントの中に、有期契約にもかかわらず、
給与体系が長期雇用を前提として設計されているため、一時期突出した
業績を上げても待遇面への反映が少ないというものがありましたが、安
定雇用という側面で見るとメリットとして考えることもできます。
また、給与そのものの水準は低いものの、福利厚生はしっかりしている
という点は日系企業ならではの良さではないかと思いますし、こうした
点は、現地スタッフにも上手にアピールしてモチベーションの向上を図
っていくべきだと思います。
さらに、日本に本社があるのであれば、研修などの機会を会社側が準備
して、同じグループのメンバーと顔を合わせ、価値観や事業の方向性を
共有、確認しあう場をセッティングしてあげることも、会社やグループ
への帰属意識や愛社精神の醸成には、非常に有効な手段ではないかと思
います。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国においても、有期契約が中心とは言え、その期間内でのリストラの
可能性が低く、期間満了までは継続して働ける安心感があるという点で
は、日系企業は現地企業に比べて大きなアドバンテージがあると思いま
す。また、福利厚生面については、法律を守ってしっかりと対応してい
る企業が多く、そうした部分でもスタッフがメリットを享受できる機会
も多く、それが会社への帰属意識や愛社精神の醸成につながるとは思い
ます。
ただ、厳しい見方をするならば、長期的な雇用スタンスや法律を遵守す
る姿勢はそもそも日本的な取り組みの延長であって、現地の優秀な人材
の流出を防ぐための特別な、あるいは意図的な取り組みではないでしょ
う。それが結果的に、こうした日本的な経営スタンスにフィットする人
たちだけを会社に残すための制度になってしまっている危険性もありま
す。しかし、会社に残った現地スタッフの中から幹部を選ぶのでは本末
転倒な話です。やはり、自分たちがどのような幹部人材を育てたいのか
を明確にすることが、まずは最も大切な取り組みではないでしょうか。
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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
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◇内容 「何故?」(疑問)を「なるほど!」(理解)に変えて、習得
シーン別・体験指導で実践的
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◇会場 東京都内のセミナールーム
◇参加料 39,000円/1名(税別)
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『人事相談会』
~人事のお悩み、なんでもお答えします~
◇会場 株式会社クイック リクルーティング事業本部 東京営業部
東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
(銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
◇参加料 無料
◇対象 人事の方であればどなたでも
詳細は、
セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで
■4月19 日(木)15:00 ~ 17:00(14:45 開場)
『採用選考 実践Q&A』(新規ユーザー様向け)
~CUBIC の活用事例を中心に~
◇会場 株式会社クイック リクルーティング事業本部 東京営業部
東京都港区赤坂1-9-20 第16 興和ビル北館8F
(銀座線・南北線「溜池山王」駅A9 出口より徒歩5分)
◇参加料 無料
◇対象 CUBIC ユーザー企業の経営者の方・
採用ご責任者様・ご担当者様
詳細は、
セミナー事務局(TEL:03-5573-9191 E-mail:seminar@919.jp)まで
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