メールマガジン

2013.02.28
『世界の人事部(R)』Vol.46【現地人事コンサルタントに聞く 年末年始中国法令・政策事情】
 □■□――――――――――――――――――――――――――――――
       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部(R)』
                        【Vol.46 2013.2.28】
 ――――――――――――――――――――――――――――――□■□
  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。
 
 先日、厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査(全国)」によると、
 パートを除く一般労働者の2012年の平均賃金は前年比0.3%増と3年連続で
 増加し、中でも女性の伸び率が大きく、男女間の格差が縮小したとのこと。

 少子高齢化が進み、労働力人口の減少が懸念されている中で、企業が生き
 残っていくためにも、海外進出や外国人労働者の雇用という側面に加え、
 今以上に女性が働きやすい環境の整備や、やる気を高める施策を打ち出す
 ことの重要性は、これまで以上に増してくるものと思われます。

 こうした流れの中で、先の平均賃金の上昇や男女格差の解消は前向きな
 ニュースと言えるでしょう。

 また、安倍政権も、若者や女性にチャンスがあり、活躍できる社会を目指
 した取り組みを強化していくとのことですので、今後どれだけこうした前
 向きなニュースを耳にできるかが、これからの日本を見通す一つの指標に
 なるかもしれませんね。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■─────────────────────────

 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第46回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

 ─────────────────────────────────

 ─────────────────────────────────
 【1】 今月の人事労務ニュース
 ─────────────────────────────────
 
 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
 ニュースを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 <中国>   中国の就職ポータルサイト運営会社「前提無憂」の調査報告によると
        2013年、中国の人材市場は好転する見込みに

 <中国>   広東省が、従業員の最低賃金基準の調整を5月1日より実施

 <アメリカ> クイックUSAが、3/27 New York Business Instituteの
        協力のもと「実務に役立つ エクセル・ワークショップ」を開催


 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213

 アメリカの最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

 ベトナムの最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://919vn.com/

 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php

 ─────────────────────────────────
 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第46回】『世界の人事の現場から』
 ─────────────────────────────────
 【第46回テーマ】
 「現地人事コンサルタントに聞く 年末年始中国法令・政策事情」
 ------------------------------------------------------------------
 ◇編集部◇
  今回のテーマは、年末年始における中国の法規の公表についてです。
  年末年始の突然の法規の公表は、今や中国の風物詩というほど馴染みの
  ある光景であるとともに、経営者や管理部門のスタッフをやきもきさせ
  るものではないでしょうか。

  事実、昨年末からこの年始にかけても、新たな法律や政策の公表が
  あったかと思うのですが、現地日系企業にとっても影響が大きいような
  法規の公表はありましたか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  今回は、年末年始ギリギリのタイミングではありませんが、現地で事業
  を展開する企業にとって影響度が高い社会保険に関する法規で、
  昨年11月に上海市人民政府が公布した「征地人員の社会保険料納付調整
  に関する通知」についてご紹介したいと思います。

  この通知によると、2013年1月1日から、会社が雇用しており、かつ既に
  基本養老及び医療保険料を一括納付した征地人員は、以前のように失業・
  労災・生育保険だけを納付すれば良いのではなく、一般スタッフと同じ
  ように、「五金」と呼ばれる基本養老・医療・失業・労災・生育保険を
  納付しなければならないことになりました。

 ◇編集部◇
  「征地人員」とは、日本では聞きなれない肩書ですが、現地において、
  どのような人たちのことを指しているのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  征地人員とは、以前は農民の身分でしたが、上海市の発展に伴い農地を
  徴収された方々のことを言います。しかし、農民である彼らにとって農
  地がなければ仕事になりません。そこで国は、彼らの所有していた農地
  を徴収する際に、これに対する補償として、15年間分の基本養老・医療
  保険を一括で納付しました。

  そのため、農地を徴収された元農民、つまり征地人員である彼らを会社
  が雇用した場合、会社は「五金」のうち、まだ納付されていない失業・
  労災・生育保険(合計3%)だけを納付すれば良かったわけです。

 ◇編集部◇
  それが今回の「征地人員の社会保険料納付調整に関する通知」により、
  本年1月1日から、征地人員についても社会保険全種類、いわゆる
  「五金」を納付しなければならなくなったということですね。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  とはいえ、現状の上海市の社会保険において「五金」があるのは、
  上海戸籍や外地都市戸籍、上海人材導入居住証所有者を対象者とした
  通常の「城鎮保険」と、上海郊外の会社に勤務し、かつ2011年6月時点で
  小城鎮保険を納付しているスタッフを対象者とした「小城鎮保険過渡」
  の2種類です。

  今回の通知では、征地人員が「五金」を納付しなければならないと公布
  されましたが、「城鎮保険」と「小城鎮保険過渡」のどちらで納付しな
  ければならないかの詳細な説明はありませんでした。

  そこで、私たちが確認したところ、詳細の通知はありませんが、
  これまで「城鎮保険」の規定に則って失業・労災・生育保険を納付して
  いるスタッフであれば、2013年1月1日からも「城鎮保険」を納付し、
  「小城鎮保険過渡」の規定に則って納付しているスタッフであれば、
  「小城鎮保険過渡」を納付することになる可能性が高いとのことでした。

 ◇編集部◇
  とはいえ、いずれの形で納付するにしても、征地人員を雇用する会社側
  の負担は、従来よりも大きくなるということですね。ちなみに、各々の
  保険に関して、具体的な会社の負担割合はどのようになるのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  「城鎮保険」の場合、本人の前年度の平均月額賃金を基数(※)として、
  養老保険22%、医療保険12%、失業保険1.7%、労災保険0.5%、
  生育保険0.8%という料率となっています。
  (※)上限:市平均月額賃金の300%、下限:市平均月額賃金の60%

  一方、「小城鎮保険」の場合、一律で市平均月額賃金の60%を基数として、
  養老保険19%、医療保険9%、失業保険1.7%、労災保険0.5%、
  生育保険0.8%を会社側は負担しなければなりません。ただし、この養老・
  医療保険の料率は、2013年1月~3月のものであり、4月以降については、
  養老保険22%、医療保険12%に会社の負担が増加することになっています。

 ◇編集部◇
  では最後に、こうした中国での法規の公表等について、予め留意してお
  いた方が良い点などはありますか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国では、年末年始に全国レベルの重要法規が突然発布されるケースが
  多いのですが、その他にも地域によって毎年同じようなタイミングで公
  表される法規等があります。例えば上海市の場合、3月に社会保険料など
  を決める「基数」の根拠数値となる上海市平均賃金が公布さるほか、
  4月には上海市の最低賃金が変更されるケースが多いです。

  もちろん、細かく言えばきりがありませんが、事業運営に影響を与える
  主だった法規等の改定タイミングを、予め押さえておくことができれば
  心の準備もできますから、業務上のストレスはかなり軽減されるのでは
  ないかと思います。

  また、日本の場合、法律は全国共通のものですが、広大な国土を持つ
  中国では、各地方によって状況が異なっているというケースも少なくあ
  りません。「上海市でこうだから、北京市でも同じはず」とはいかない
  場合もありますから、現地の人力資源社会保障局などともコンタクトを
  密に取る等、正確な情報を入手できる体制を構築しておくことが大切か
  と思いますね。

 ─────────────────────────────────
 【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
 ─────────────────────────────────
 日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
 クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
 興味、関心の高いセミナーがございましたら、今すぐお申込を!


 ■3月5日(火) 10:00 ~ 12:00(受付/9:40~)

  『選考プロセスの中における適性検査と面接のポイント』
   ~入社後に活躍できる人材の見極め方~

  ◇会場  株式会社クイック 
       大阪富国生命ビル16階(大阪市北区小松原町2-4)
       (JR大阪駅、各線梅田駅、直結)
  ◇参加料 無料
  ◇対象  経営者の方・採用ご責任者様・ご担当者様

  詳細は、http://919.jp/seminar/p1567/


 ■3月9日(土) 13:00~15:00

  アジアで働くキャリア人材のための転職セミナー~中国・ベトナム編~
  『上海及びベトナム現地法人トップが直接語る転職成功のポイントとは?』

  ◇内容  (1)パネルディスカッション
          ・アジアで働く日本人シニアの現状
          ・中国での最新就職事情
          ・ベトナムでの最新就職事情
       (2)転職相談会
  ◇会場  株式会社クイック セミナールーム(溜池山王)
       東京都港区赤坂1-9-20 ATT新館6F
       (東京メトロ南北線・銀座線 溜池山王駅 12番出口より直結)
  ◇参加料 無料
  ◇講師  クイックベトナム     代表 古屋竹雄
       上海クイックマイツ    董事 山田祐次
       中国・アジア進出支援機構    池田勲肖
  ◇対象  海外勤務希望の30~60歳の方、中国・ベトナム人留学生
  ◇定員  50名

  詳細は、http://919.jp/global/consult/ または、
  担当 山田(TEL:03-5573-9191)まで
  お申し込みは、http://919.jp/global/reservation/ よりお申し込み下さい。


 ■4月4日(木)・5日(金) 9:00~17:00(両日とも)

  『2013年度 新入社員スタートアップ研修 ~マナー集中コース~』

  ◇内容  「何故?」(疑問)を「なるほど!」(理解)に変えて、習得 
       シーン別・体験指導で実践的
       「ビデオ撮影」によリ自分の問題点を明らかに
  ◇会場  東京都内のセミナールーム
  ◇参加料 39,000円/1名(税別)
  ◇対象  2013年4月入社の新入社員

  詳細は、http://happy.919.jp/documents/manners

 ─────────────────────────────────
 【メールの表示について】
  このメールは等幅フォントを使用し、横幅全角35文字以上の設定で
  正しく表示されるように作成しております。
  また、本メールマガジンより生じる損害・トラブルにつきましては
  一切の責任を負いません。
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 □発行元 株式会社クイック『世界の人事部(R)』編集部
 ■URL http://919.jp
 □ご意見・お問い合わせ info-koho@919.jp

 掲載された記事・情報を許可なく転載することを固く禁じます。
 Copyright(C)2013 QUICK CO., LTD. All rights reserved

 このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/を
 利用して発行しています。
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
PAGETOP