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2013.03.29
『世界の人事部(R)』Vol.47【アメリカ・中国の賃金事情について】
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       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部(R)』
                        【Vol.47 2013.3.29】
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  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部(R)』編集部です。
 
 3月中旬まで開催されていた、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。
 日本は3連覇を目指しましたが、残念ながら準決勝敗退となりました。

 直後から敗因として挙げられたのが、監督人事の難航、海外の優秀な選手を
 招へいできなかった点、采配の一貫性のなさ等、技術や作戦よりも、
 むしろ人事的な部分にスポットが当てられたものが多かったと感じました。

 その意味では、戦い方次第でこれだけの成績を残せる地力の強さは示せたと
 同時に、いくら実力があっても、人をうまく活用できなければ、世界で勝ち
 切ることはできないことを証明したとも言えるかもしれません。

 もちろん、このことはビジネスの分野でも同じかと感じますし、
 日本人スタッフと現地スタッフが力を合わせることが必要不可欠な
 現地日系企業等においては、よりその傾向が強いかと思います。
 グローバルな競争の中で勝ち切る組織をつくるためにも、この機会に、
 まずは社内の人事的な問題について見直す機会を持ってみてはいかがでしょうか。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■─────────────────────────
 
 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第47回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

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 【1】 今月の人事労務ニュース
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 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
 スを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 <中国>  京華時報によると、2013年の転職者の賃金水準は、
       国内のインフレ率上昇に伴い、前年比15~25%増の見込みに

 <中国>  新京報によると、半数以上の会社が女性従業員のための
       生育保険を納付していないことが明らかに

 <日本>  株式会社アイ・キューが、5月21日(火)、22日(水)の両日、
       日本の人事部「HRカンファレンス 2013 ─春─」を開催
       日本の人事部 HRカンファレンス開催概要
       http://hr-conference.jp/


 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/Community.aspx?ID=1125,1213

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 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第47回】『世界の人事の現場から』
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 【第47回テーマ】
 「アメリカ・中国の賃金事情について」
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 ◇編集部◇
  今回のテーマは、アメリカ・中国における賃金についてです。
  ちょうど日本では、2月末から3月にかけて春の労使交渉、いわゆる
  「春闘」が展開されていました。この「春闘」の内容として代表的な
  ものと言えば、労働組合などによる使用者への賃金引上げ要求。
  一般的には、大手企業の交渉結果を受けて、中小企業の交渉が行われ、
  全体的な賃金相場が形成されて新年度以降の賃金に反映されるという
  のが一般的です。

  今年は、自動車大手の大半で年間一時金(ボーナス)の満額回答が相次ぎ、
  また、流通大手でも正社員の賃上げやパートの時給アップを実施する
  企業も出るなど、明るい話題が多かった気がします。
  ただ、賃上げとはいえ、多くは一時金の増額であり、
  また実体経済が良くなっているわけでなないので、
  中小企業等への広がりは、これからといったところでしょうか。

  こうした日本の「春闘」のように、新年度以降の社員の賃金ベースや
  昇給に関する企業との団体交渉は、アメリカや中国でも行われている
  ものでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国における、日本の「春闘」に比較的近いイメージの団体交渉としては、
  「春季行動」と呼ばれる運動が挙げられるかと思います。
  この「春季行動」ですが、各省や市の労働組合の上部組織である
  総工会の指導により、国営企業から大企業、中小企業に至るまで、
  幅広い企業で毎年行われています。

  また、開催の時期は地域によってまちまちですが、
  概ね2月から5月にかけて行われるケースが一般的です。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  アメリカでも、労働組合のある企業において労使交渉は行われています。

  ただ、日本の「春闘」のように、毎年定期的に、つまりアメリカの場合
  であれば年度末に当たる年末にかけて、新年度以降の社員の賃上げの
  ための労使交渉が行われているという話は、私自身聞いたことがありません。
  むしろ、企業ごとに不定期に行われているのが実際のところかと思うのですが、
  近年、アメリカ企業の労働組合の力は弱くなってきていますから、
  交渉力や影響力も決して強いとは言えない状況ではないでしょうか。

  また、こちらには日本のような定期昇給という概念がないということも、
  定期的な労使交渉の場がない要因の必要ではないかと思います。
  とはいえ、アメリカの雇用関係は、あくまで労使の契約関係ですから、
  他に良い職場があればスタッフは転職していきます。
  ですから、会社は優秀な人材に対して昇給等の形で報いることで、
  さらに仕事に対するモチベーションを高めてもらう。
  定期昇給のための定期的な交渉の場を設けなくとも、個人的には、
  これはこれで上手くバランスが取れている方法なのではないかと感じています。

 ◇編集部◇
  中国の「春季行動」における交渉の内容についてですが、
  やはり日本と同様に賃上げに関する交渉が中心なのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  「春季行動」の内容としては、賃上げに関する交渉の他にも、
  社会保険各種手当の中身や賃金の支払い方法等の交渉もあり、
  必ずしもベースアップの交渉が全てというわけではないかと思います。

  また、これらの交渉については、使用者である企業の代表者と、
  日本の労働組合に当たる工会の代表者によって行われるのが一般的です。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  先程もお話しました通り、アメリカでは時期を定めた定期的な労使交渉は
  行われていませんが、労使交渉自体は行われています。
  その中で、昨今多くなってきた交渉テーマとしては企業年金や医療保険等
  のベネフィットに関する交渉が増えてきているようです。

  また、交渉については、日本や中国とは違い、基本的に使用者である
  企業側と労働者の個別交渉というのが一般的な交渉の形になります。
  ただし、労働組合がある企業は日本や中国同様に企業側と組合の代表者の
  間で行われるケースもあるかと思います。

 ◇編集部◇
  日本の場合、「春闘」自体の特性として、大企業の交渉結果が中小企業の
  賃金相場に影響するという点で、元々メディアや国民の関心は高かったと
  言えますが、今年に関しては、現政権による一時金を含む賃金引上げ要請が
  あったことから、従来にも増して注目が高まっていました。
  こうした、労使交渉に対する注目度の高さは、中国やアメリカにおいても
  日本と同様なのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  最近行われた労使間での団体交渉と言われれば、ニューヨークで
  1月16日から2月22日まで行われていたスクールバスドライバーのストライキが
  思い浮かびます。しかし、このストライキに対してメディアや市民の関心、
  注目度は低く、むしろ冷ややかな対応だったことを記憶しています。

  さらに、長期間に渡ったこのストライキを通じた交渉ですが、
  結果的には労働組合サイドの敗北という結果に終わっています。
  その理由は、先程もお話したとおり、労働組合の弱体化により団体交渉
  自体が意味をなさなくなってきていること等が挙げられますが、
  労働者サイドに嬉しいサプライズが期待できないという背景も関心や
  注目度の低さに繋がっているのではないかと思います。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国全土でと考えると、「春季行動」に対する関心がとても高い地域が
  あるという可能性はあります。ただ、少なくとも上海市においては、
  今年の「春季行動」についても大きな話題としては取り上げられてはいませんし、
  市民全体の関心もあまり高くはないのではないかと感じています。

  とはいえ、「春季行動」のような労使交渉の機会があることは、
  労働者サイドの人間としては個別に交渉しづらい賃金というテーマについて、
  踏み込んで交渉ができる点で労働者にとってはプラスになるでしょう。

  一方で企業側にも、賃金をはじめとする待遇面等について交渉の場を持ち、
  双方の意見をすり合わせることで、スタッフの不満の爆発を未然に防ぐ
  効果が期待できます。こうした労使双方の思惑を背負って交渉のテーブルに
  着く方々に関しては、労使関わらず、双方の理不尽な要求に対して、
  良い加減とも言える妥結点に要求を落とし込む高い交渉力が求められる
  ことになるのではないでしょうか。

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 【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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 日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
 クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
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 ■4月4日(木)・5日(金) 9:00~17:00(両日とも)

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  ◇内容  「何故?」(疑問)を「なるほど!」(理解)に変えて、習得 
       シーン別・体験指導で実践的
       「ビデオ撮影」によリ自分の問題点を明らかに
  ◇会場  東京都内のセミナールーム
  ◇参加料 39,000円/1名(税別)
  ◇対象  2013年4月入社の新入社員

  詳細は、http://happy.919.jp/documents/manners

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